表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1344/1484

大好きな第三地区(2)

「ルーチャン……カラダノ、ドコガ、ツライ?」


 ピーちゃんが心配そうに尋ねてくれたけど……


「うーん。筋肉痛は治ったの。でも、なんだろう……モヤモヤするっていうか……ザワザワするっていうか。上手く言えないよ」


「シンリョクガ、スクナク、ナッタ、カラカナ?」


「そうなのかな? 筋肉痛がなくなったからモヤモヤを感じるようになったみたいだけど……身体の中を血が巡るのが分かる……みたいな? 今まではそんなの感じた事がなかったから、変な感じだよ」


「ソレッテ、シンリョクガ、カラダヲ、メグッテ、イルッテ、コトカナ?」


「うーん……どうなんだろう。でも本当に助かったよ。今日は冥界での初仕事なの。午後からは洗濯もあるし」


「……? センタク? エット……? センタクッテ?」


「ああ。人間達がベリアルのぬいぐるみを持つのが流行っていてね。清潔に保てるようにって洗濯師の仕事を始めたの」


「ヘエ。ソレデ、センタクカ。ステキナ、シゴトダネ」


「えへへ。ありがとう。それにしても島中お酒の匂いがすごいね」


「ウン。ボクタチガ、キタ、トキニハ、モウ、コンナ、カンジ、ダッタヨ」


「こんな感じ? うわ……身体が痛くてよく見ていなかったけど、これ……何の宴なの? 皆、変なテンションになっているよ」


 皆で広場に集まって、すごく楽しそうにお酒を飲んでいる。

 ベリアルとゴンザレスと聖獣王は夢中でお菓子を食べているね。

 第三地区の皆は大笑いしながら歌ったり踊ったりしている。

 あ、おばあ様が嬉しそうにハデスのかわいい自慢をしているよ。

 元々、野田のおじいちゃんの中にいたから第三地区にすっかり馴染んでいるね。

 でも、その事を皆は知っているのかな?

 ん?

 見た事がない綺麗な女性がいる。

 この世界の人間じゃなくて日本人みたいだけど……

 誰だろう?


「ピーちゃん? あの綺麗な女性は誰? うーん……でも、どこかで見たような……」


「アア……アレハ……」


 ん?

 ピーちゃんが話しにくそうにしている?

 うーん……

 どこで見たんだっけ?


「あ! そうだ! まだ群馬にいた頃……わたしが小学生くらいの時に観ていたドラマに出ていた女優さんだ!」


 っていう事は……

 まさか……


「ボクノ……オカアサン、ダヨ……」


「おばちゃん……元々綺麗だったけど……」


 好きな姿になれるって知って、あの女優さんにしてもらったんだね。


「……コッチニ、キテ、ジジョウヲ、ハナシタラ、アノ、スガタニ、ナリタイッテ、タダヲ、コネテ……」


「駄々をこねた? そうだったんだね。でも、野田のおじいちゃんも嬉しそうにしているね」


「ウン。オカアサンガ、サイゴニ、コノセカイニ、ツレテ、コラレル、タマシイ、ナンダネ」


 魂を選別するみたいで嫌だけど、そうなるんだね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ