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大好きな第三地区(1)

 ちぎれそうなくらい痛い身体を我慢しながら、吉田のおじいちゃんに空間移動してもらう。

 第三地区に着いたけど、うさちゃんはお気に入りのソファーでぐっすり眠っているね。

 わたしもずっとソファーに座ったままでいたいよ。


「ア……ルーチャン? ドウシタノ?」


 ピーちゃん……

 本当に帰ってきたんだね。

 これからはずっと第三地区にいてくれるのかな?


「うぅ……ピーちゃん……身体中痛いの。治癒の力を使ってもらえないかな?」


「ウン。マカセテ! ヤッパリ、サッキノ、ボクノ、チカラハ、ルーチャンノ、シンリョク、ダッタンダネ」


「吉田のおじいちゃんが、わたしを集落に連れていってくれたの。モニターに映っていたピーちゃんとばあば……素敵だったよ」


「エヘヘ。ホワイトドラゴンとブラックドラゴンガ、キョウリョク、シテ、クレタンダヨ」


「そうだったんだね。あの後……あの世界はどうなったんだろう」


「ボクニモ、ワカラナイヨ。デモ……アノ、セカイノ、ミンナナラ。イチド、オワリヲ、カクゴシタ、ミンナナラ……ニドト、アノセカイヲ、キズツケタリ、シナイヨ」


「ピーちゃんの言う通りだね。わたし……見たの。あの世界の乾いた土に小さな芽が……って……え?」


「ン? ルーチャン? ドウカシタノ?」


「どうして聖獣王がいるの!?」


「ン? アノ、イヌノコト?」


「犬……確かに犬みたいだけど……聖獣王なんだよ」


「ボクガ、ココニ、キタ、トキニハ、オカシヲ、オイシソウニ、タベテイタケド……アレガ、セイジュウノ、オウサマ、ナノ?」


「お菓子が欲しくて犬の真似をするけど、本当は話せるんだよ。あ、そうか。チョコレートを食べたくておばあちゃんとおばあ様と一緒に第三地区に来たんだった」


 色々あって忘れていたよ。


「アハハ。ベリアルモ、ゴンザレスモ、ミンナ、オカシガ、ダイスキ、ダヨネ」


「うん。そうだね……痛たた……」


 うぅ……

 身体が痛くて堪らないよ。


「ゴメン。ハナシニ、ムチュウニ、ナッチャッタ。チユノ、チカラヲ、ツカウヨ」


「ありがとう……助かるよ」


 こうしてピーちゃんが治癒の力を使ってくれたけど……


「ドウ? ナオッタ?」


「うん……だいぶ良くなったよ。ありがとう」


「カンゼンニハ、ナオラナイ、ミタイダネ」


「でも一番辛かった全身筋肉痛はなくなったよ」


「ゴメンネ。ボクガ、シンリョクヲ、ツカイ、スギタカラ」


「あぁ……そうじゃないの。あれはわたしも望んだ事だから感謝しているの。ピーちゃん達があの世界の為に色々考えて動いてくれたから、もう一度やり直せるようになったんだよ」


 これ以上わたし達にできる事はないんだよね。

 あとは、あの世界にいる皆を信じよう。  

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