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ペルセポネとベリアルと霧の森(5)

「あれは?」

「なんで空に、でっかいテレビがあるんだ?」

「分かんねぇけど、ありゃ竜か?」

「竜は人の言葉を話すんか?」


 集落の皆は落ち着いているんだね。

 普通、あんな物を見れば腰を抜かして驚くはずだけど……


「もしかして……神様か?」

「まさか……困ってるオレ達をまた助けに来てくれたんか?」

「集落を助けてくれた神様は空にいるって言い伝えがある。もしかしたら神様が世界の危機を救ってくれようとしてるんか?」


 神様が危機から救ってくれようとしている……か。

 遥か昔、この集落を魔素の危機から救ってくれたのはブラックドラゴンのおじいちゃんなんだよね。

 今回もこの世界を救おうとしているの?

 でも、今回は小さな集落じゃなくてこの世界の全てをなんとかしないといけないんだ。

 ばあばとブラックドラゴンのおじいちゃんだけの神力じゃ無理だよ。


「人間達よ……この小鳥から話がある」


 え?

 ばあば?

 小鳥って……

 やっぱり……

 ピーちゃんだ。


「おい。ありゃ陽子ちゃんの鳥じゃねぇか?」

「あ! 本当だ! ありゃ、ぴよ太だ!」

「そうだ、そうだ。あの首飾りは迷い鳥になっても帰れるようにって陽子あんねぇがぴよ太の首からさげたやつだ!」


 え?

 首飾り?

 ……!

 あれは……

 うそ……

『真実の口』!?

 おばあ様の言う通り、お父様が集落に落としていたの!?


 確かあれは、口から出た言葉が本当になるんだよね。

 ピーちゃんはそれを知っているのかな?

 いや……

 知らないはずだよ。

 でも……

 ブラックドラゴンのおじいちゃんは神様だった時に天界の色んな事を調べたって言っていたよね?

 隠し部屋の神力の事も知っていたんだから、秘密の部屋の変な野菜とかの事も知っている可能性がある。

 あの秘密の部屋にはお父様が書いた絵日記風の説明書もあったから効能も分かるはず。

 何よりブラックドラゴンのおじいちゃんが、大好きなばあばを危険な目に遭わせるはずがないよ。


 ピーちゃんはお母さんが亡くなったら、この集落から『人間と魔族の世界』の第三地区に戻る予定になっているんだ。

 そうなれば、もうこの世界に来る事はない。

 だから最後の賭けに出たんだね。

 この世界を救う為に『真実の口』の力を使おうとしているんだ。

 考えてみればあの秘密の部屋の変な物は『真実の口』以外は二つずつあったんだ。

 全てが二つずつあるのなら『真実の口』も二つあるはず。

 でも天界にはひとつしかなかった。

 お父様はずっとこの集落にいたから、もうひとつがこの辺りに落ちていてもおかしくなかったんだ。


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