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不安な事も山積みだけど、やっと本来の居場所に戻ってこられたんだね

 ケルベロスを寝かせて、うさちゃんの所に戻ると……  

 ふふ。

 ソファーで気持ち良さそうに眠っているね。


 うさちゃんとソファーごと空間移動して寝室に戻る。

 ハデスが寝ているベットに入ると温かくて気持ちいい。

 誰かが眠っているベットに入ると群馬にいた頃を思い出す……

 群馬では、おばあちゃんと一緒に寝ていたよね。


 ん?

 いつの間にか、うさちゃんがベットに潜り込んでいるね。

 ソファーよりベットの方がいいのかな?

 あ、いつも通りわたしとハデスの間に入って横になったね。


「うさちゃんも一緒に眠る?」


「ペルセポネノ、トナリデ、ネタイ。ン? ハデスハ、ウナサレテ、イルナ。ドウシタンダ?」


「ハデスのお母さんに会ってきたんだけど、遥か昔の色々な事を思い出して辛くなったみたい」


「ツライ?」


「うん。おばあ様はわたしによく似た変態だったみたい。ずっとハデスをつけ回したり吸いついたりしていたみたいだよ」


「ソレガ、ツライノカ? ペルセポネニ、サレタラ、ウレシイガ」


「思春期の色々があるんだろうね」


「ソウイウモノ、ナノカ? ヨク、ワカラナイガ、シカタナイ。イイユメヲ、ミサセテ、ヤロウ」


「ありがとう。うさちゃんは寝ているハデスには優しいよね」


「オレノ、ペルセポネヲ、ウバウ、ヤツハ、ユルセナイ、カラナ。ダガ、ハデスナラ、ユルシテモイイ……カモシレナイ」


「あ、ハデスの表情が穏やかになったね」 


 うさちゃんが良い夢を見させてくれたのかな?


「コレデ、イイ。サア、ネヨウ。ペルセポネニ、ダカレテ、ネルト、シアワセナ、キモチニ、ナル」


「ふふ。わたしもうさちゃんを抱っこしていると心が落ち着くよ。わたしが赤ちゃんの頃から一緒にいるからかな?」


 うさちゃんは、遥か昔わたしの護衛兼モフモフとしてお父様が連れてきたんだよね。


「ペルセポネハ、アカンボウノ、コロカラ、カワイカッタ。……ネムクナッテキタ……」


 うさちゃんがゆっくり目を閉じたね。


「おやすみ。うさちゃんも素敵な夢を見てね」


 ハデスとうさちゃんと同じベットにいると……

 なんだか川の字で寝ている親子みたいだ。

 ハデスもうさちゃんも気持ち良さそうに眠っているね。


 ハデスとの赤ちゃんが産まれたらこんな感じになるのかな?

 天族は卵で産まれるんだよね。

 うーん。

 ハーピーちゃんも大きい卵で産まれてきていたよ。

 あのサイズの卵をわたしが産むのか……

 かなり痛そうだよ。

 

 ……でも。

 それよりも心配なのは、わたしとハデスの赤ちゃんが無事に産まれてくるかっていう事だ。

 わたしの身体には魂が無くて吉田のおじいちゃんがオケアノスの魂を入れたんだよね。

 わたしの身体に入りたい魂が何百っていう数、消滅したらしいし、ハデスは天界では珍しい闇に近い力を持っているんだ。

 そんなわたしとハデスの赤ちゃん……

 魔族みたいな容姿で産まれてくるのは問題ないけど、卵が産まれてきても魂が無くて死産になるかも……

 その確率は高いはずだ。

 

 はぁ……

 月のものも始まらないし、まだまだ先の事になるだろうけど……

 その時が来たら、わたしもハデスも耐えられるのかな?

 

 今から考えても仕方ないか……

 元気な赤ちゃんが産まれてくるかもしれないし。


 冥界を離れてからの数千年……

 色々な事があったね。

 わたしは、異世界に魂だけを逃がされて月海るみになって、ハデスはヴォジャノーイ族にされて種族王になった。

 うさちゃんは魔法石の姿になって深海で眠り続けて、ケルベロスは働き詰めで疲れ果てていて……

 別々の場所にいたわたし達は長い時を経てやっと冥界に揃う事ができたんだ。


 これからも色々大変な事があるだろうけど、この四人なら絶対に乗り越えられるよね。

 第三地区の皆や魔族、天族の家族とも仲良く過ごしながら人間を見守ろう。

 明日からは新たな日々が始まるんだね。

 今までみたいに賑やかで楽しい日常が待っているはずだよ。


 

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