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わたしは確実にお母様似だと痛感する

 おばあ様達が空間移動で『人間と魔族の世界』に行ったけど……

 ハデスとお母様が宮殿から出てこないね。

 どうしたんだろう。


 中に入ってもいいかな?


「おじゃましますよー」


 うわあぁ!

 素敵な内装だね。

 壁にはお母様やハデス、デメテル達の肖像画が飾ってある。

 家具も、ザ宮殿っていう感じできらびやかだよ。


 あ、ハデスが幼い頃の肖像画だね。

 かわいいなぁ。

 こっちはお母様かな?

 わたしとそっくりだね。

 

「ペルセポネ、来たのね? ふふ。見て? このハデスの赤ん坊だった頃の肖像画……堪らない……じゃなくて、かわいいわね」


 お母様……

 今、堪らないって言ったのをごまかしたね。

 やっぱりお母様は変態……じゃなくてブラコン……じゃなくて弟思いなんだね。


「あはは……うん。かわいいね。えっと……ハデスは?」


「え? ハデス? ああ。お母様に吸いつかれてね……辛かった過去を全て思い出して気絶しているわ」


「……え? どういう事?」


 あのハデスが気絶?


「お母様はわたし達姉弟を溺愛していてね。朝から晩まで吸いついていたのよ。その中でもハデスは繊細だったからお母様は、かなり心配していてね。かわいいかわいいってずっと撫で回していたわ。それだけでは済まなくてずっと陰から見守っていたのよ。お風呂やトイレ、就寝中もね。幼い頃はよかったけど……色々分かる年頃になるとハデスも嫌がってね。でも、優しいからそれを口には出せなくて、ほら、ハデスは優しいし、かわいくて最高でしょう? んもうっ! かわい過ぎて吸いつきたくなっちゃうっ! くうぅ! それから……ほら、見て? こっちの肖像画は、ハデスが初めて寝返りを……それからあっちの肖像画はハデスが初めて……ハアハア。堪らないわっ!」


 すごい……

 いつも冷静なお母様がハデスの肖像画の説明をするとこんなに変態……じゃなくて、弟を大切に思う気持ちが溢れるんだね。


 おばあ様の変態がお母様に遺伝して、その変態をわたしが受け継いだのか。

 血は争えないってこういう事をいうんだね。

 

 でも、お母様はわたしを冥界に連れ去ったハデスをヴォジャノーイ族に憑依させたんだよね?

 かわいさ余って憎さ百倍っていう事だったのかな?

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