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レアーおばあ様とペルセポネ(7)

「そして、それから先はあの世界の生き物がどう行動するかによって変わる……でも、それをわたし達が知る事はないの」


 おばあ様が優しく微笑みながら話しているけど……

『それをわたし達が知る事はない』って……?


「おばあ様?」


「全ては陽太にかかっているわ。あの世界を見守り続けてきたイナンナの魂や精霊達が、納得できる最後を迎えられるかどうかは……あの小さな鳥の陽太にかかっているの」


「よく分からないよ……最後って……イナンナの魂や精霊達はどうなるの?」


「ペルセポネ……信じましょう。信じて待ちましょう。その時はすぐにやって来るはずよ?」


「ピーちゃんを信じる? それは信じたいけど……でも、ピーちゃん一人には荷が重過ぎるよ」


「ドラゴン王やブラックドラゴンもいるわ? ブラックドラゴンは数千年間神をしていたの。ドラゴン王だって魔族から恐れられるドラゴンの王だしね。そして、何度も魔王を倒してきた陽太。最強の勇者パーティーだと思わない?」


「おばあ様……」


「大丈夫よ。信じましょう」


 やっぱりおばあ様には未来が見えているのかな?

 それだけじゃない。

 過去も知っている……?

 色々知り過ぎていて怖いくらいだ。


「あら? そう?」


「……え?」


 おばあ様? 

 まさか……

 おばあ様も心の声が聞こえるの!?


「ふふ。その通りよ」

 

「……だから、ベリアルが過去にしていた事を知っていたんだね。でも……向こうの世界の未来を知っているのはどうしてなの?」


「それは、わたしが未来を見てきたからよ? ふふ。ゼウスもしたんでしょう? さすがわたしの息子ね」


「あれは、かなり神力を使うって聞いたけど……」


「わたしは近い未来を見ただけだからそれほど神力を使わずに済んだのよ。それに、ずっと寝ていただけだから神力も有り余っていたし。でも、未来は変わるものだからわたしが見た事が現実になるとは限らないわ」


「そうなんだね……未来を変えるのは、やっぱり悪い事なのかな?」


「うーん……未来を変えても誰も気づかないんじゃないかしら? だって未来を見るなんて普通の天族にはできないし」


「それはそうだけど……」


「例えば……今、わたしがペルセポネの右頬に口づけをするか、左頬に口づけをするか……そんな些細な事でも未来は変わるかもしれないの。何かが少し変わるだけで、後になれば世界を揺るがすほどの変化を与えるかもしれない。でも、未来に起きるそんな事は誰も知らずに暮らしているでしょう?」


「……うん」


「わたしは未来を変えようとは思わないわ。それは、わたしが見た未来が絶望するようなものではなかったからよ。もし、酷い未来を見たのなら……もしかしたら何かを変えようとしたかもしれないわね」

 

「それは、罪にはならないの?」


「そんなもの、ばれなければ大丈夫よ」


 ばれなければ大丈夫?

 ハデスみたいな考え方だね。

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