表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

132/1484

威張り過ぎると周りに誰もいなくなっちゃうから気をつけようね?

「じゃあ、皆よろしくね? 坊っちゃんを音が聞こえない空間から出すよ? あ、そうだ! 坊っちゃんの目の痛みは治さないから、皆も痛い振りをしてね?」


 散々悪さをしたんだから、これくらいはしないとね。


「あはは! そりゃいいな!」


 吉田のおじいちゃん……

 復活したんだね。

 これに懲りたらもう竜巻の中に入らないんだよ?

 

「うう……なんだったんだ? まだ目が痛い……」


 坊っちゃんは状況説明が分かりやすくていいね。

 なるほど、まだ痛いんだね。

 よし!

 少し遊んじゃおうかな?


「ウウ! メガ、イタイヨ!」


 わざとカタコトにしてみたよ?


「ぷはっ!」


 吉田のおじいちゃんが吹き出したね。

 さぁ、皆で楽しもう!


「あぁ……目が……痛いだす! あ! です!」


 坊っちゃんの真面目そうな護衛の一人が……

『だす』って言った……


「「ぷはっ!」」


 吉田のおじいちゃんと同時に吹き出しちゃった。

 わたしのこういうところは、おじいちゃんに似たのかな?

 

「うわあぁ! 目が痛いよぉ! 誰か助けてくれぇ!」

「目が飛び出しそうなくらい痛いよぉ!」

「イタイヨ、イタイヨ!」


 おぉ……

 わたし以上のカタコトが一人いるね……

 ってあの人間は市場の相談役!?

 ちょっと待って!?

 伯爵家相手に演技をするんだよね?

 大丈夫なの!?

 不安になってきたよ……


「目が痛い! 今日は帰るぞ!」


 なんだ。

 坊っちゃんはもう帰っちゃうんだ。

 残念だな。


「平民は貧乏で医者にも診てもらえないからな。ははは! 残念だな!」


 おぉ……

 坊っちゃんは本当に残念だね。

 今、目が痛いのは坊っちゃんだけなのに。


「あ! 坊っちゃん!」


 本人の前で坊っちゃんって呼んじゃった。

 怒るかな?


「なんだ。やっぱり王族なんて嘘なんだな? 父上に頼んで捕まえさせるからな!」


「え? あぁ……そうじゃないんだけど……坊っちゃんはアカデミーの普通科なんでしょ?」


「そうだ! わたしは伯爵家の立派な……」


 面倒だから途中で遮っちゃお!


「何年生なの?」


 同級生かな?


「お前……! 今遮ったな!?」


「坊っちゃんはバカだから留年してずっと一年生かな?」


「はあ!? バカって……貴族をなんだと……」


 本当に面倒だね。

 また遮っちゃお。


「じゃあ二年生?」


「そうだ! 留年なんかしてないからな!」


「ふぅん。じゃあ十五歳なんだね? わたしもだよ?」


「……まだ誕生日がきていないから、十四歳だ」


「え? じゃあわたしの方がお姉さんだね!」

 

「はあ!? 身分はわたしの方が高いぞ!」


「あぁ……はいはい」


「今、軽く流しただろ!」


「ん? はいはい」


「お前! 不敬罪で捕まえさせるからな!」


「……じゃあ捕まるのは坊っちゃんだね」


「え? 本当に王族なのか? そんなはず無いか……」


「坊っちゃん。わたしも明日からアカデミーに通うからね! よろしく!」


「……はああ!? まさか、本当に王族なのか!? いや、平民でも入れる普通科以外の学科だろ?」 


「ふふ。それは明日のお楽しみだよ!」


「はあ!? お前の相手は疲れた……帰るぞ」


 坊っちゃんが護衛の二人に話しかけている。

 馬車に乗り込んだね。


「じゃあね? 坊っちゃんまた明日!」


 よし。

 馬車の中だけど聞こえたよね?

 じゃあ、わたしも蚕の所に行こうかな?

 その前に、疲れたからベリアルを吸ったらにしようかな。

 今のわたしには癒しが必要だよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ