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秘密の部屋はどこにでもあるんだね

「マグノリア王……わたし達を……どうするつもり?」


 秘密を知られたからには、もう生かしてはおかないはずだよ。


「……え? どうするつもりとは?」


 あれ?

 マグノリア王の反応が思っていたのと違う。

 いきなりグサリじゃないんだね。


「えっと……なんか秘密の階段みたいな物が現れて……そのうえ、二人とも入り込んじゃって……」


「秘密の階段……こんなに簡単に見つけてしまうとは」


「やっぱり秘密の部屋みたいなものだったんだね。ばれたからにはグサリ……」


「ペリドット様……グサリとは、なんですかな?」


「……!? ペ……ペリドット!? ペペぺ……ペリドットって……あの……」


 普通にばれているよ!?

 まあ、あれだけ話せば当然か……


「ペリドット様は変装のつもりですかな? ははは!」


 ……!?

 笑われた!?

 変装をしている事が恥ずかしくなってくるよ。

 

「うぅ……恥ずかしいよ。さっき今生の別れをしたばかりなのに……」


「ははは! 確かに気まずいですなぁ。というより『洗濯師』ですか? それは浄化ですからなぁ。ペリドット様にしかできないのですよ」


「はぁ……嫌だよ。こんな事なら変装なんかしてこなければ良かった」


「とてもお似合いですよ。ははは! そういえば『二人とも入り込んだ』とは?」


「あ……壁の向こうに階段があって一緒に来ていた二人が入り込んじゃって」


「ほぉ。ははは! さすがペリドット様のお知り合いですなぁ。怖い物知らずといいますか」


「勝手に入ったから罰を与えるよね?」


「いえ。そのような事はありませんよ。というよりは……実はずっと捜していたのです」


「え?」


「隠し部屋がある事は知っていたのですが、方法が分からずに困っていたのです」


「方法?」


「実は数代前の王がその方法を書いた紙をなくしてしまいまして」


「もしかして、代々の王様だけが知る事ができる部屋とか?」


「そのようなのですが、中に何があるのかすら分からないのです」


「……? 隠し部屋に入る方法って紙がないと分からないの?」


「それが、数回何かをすると扉が現れるらしいのですがそれを思い出せなくなったらしく……」


「そういえば野田のおじいちゃんがそこら辺をガチャガチャ触っていたけど……」


「ノダのおじいさん? ヨシダ殿ではなく?」


「あぁ。幸せの島の隣の島に住んでいるおじいさんなの。容姿は若いんだけどね」


「ほぉ。なるほど。ではノダ殿ならば扉を出現させられるのですな?」


「扉を出現っていうよりは壁が動いたら階段が現れた感じかな? うーん。おじいちゃんがやり方を覚えていればいいんだけど。さすがに壁を開けっぱなしにはできないよね。閉め方も難しいのかな?」


「いえ。閉める時は簡単らしいのです」


「簡単? 開けるのは難しいのに?」


「はい。時間が経つと勝手に閉まるらしいのです」


「へえ。時間が経つと……って、ええ!? それってまずいんじゃない!? 二人とも早く出てきて! 壁が閉まっちゃうよ!」


 ダメだ。

 何の反応もない。

 聞こえないのかな?

 このままじゃベリス王と野田のおじいちゃんが閉じ込められちゃうよ。

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