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マグノリア王は、ちゃっかりさんだね

 おばあちゃんと吉田のおじいちゃんと第三地区に行くと、皆で夕食作りをしている。

 

「お? ぺるみはお月ちゃん達と一緒だったんか?」


 野田のおじいちゃんが尋ねてきたけど……

 あれ?

 スーたんとゴンザレスだけでプリンを食べている?

 ベリアルはどうしたのかな?

 あ、そうか。

 プリンは一日ひとつしか食べられないのに朝のうちに食べちゃったから……

 でも、他にもおやつが置いてあるのに広場にいないなんて変だね。


「うん。野田のおじいちゃん……ベリアルは?」


「ん? てっきりぺるみと一緒にいるかと思ってたけどなぁ。マグノリア王の所に行ってるみてぇだぞ?」

 

「え? マグノリア王って……どうして?」


「ほら、マグノリア王は高齢だから船旅がきついらしくてなぁ。今朝もベリアルが朝飯の前にマグノリアからリコリスに空間移動してやってたんだ」


「そうだったの? 全然知らなかったよ」


「甘い匂いをさせて帰ってきてなぁ。腹もパンパンだったし」


「え? 普通に朝ごはんを食べていたよね?」


「そうだなぁ。ベリアルの食欲はすごいからなぁ」


「じゃあ今頃マグノリアでお菓子を食べているんだね」


「だろうなぁ。スーたんとゴンザレスに『おみやげを山ほど持ってくる』って言ってたぞ」


「ベリアル一人で大丈夫なの? ゴンザレスも一緒なら安心なのに」


 ……いや。

 ゴンザレスも、さっきまでキャラメルで餌づけされていたか。

 

「ベリアルは時々、マグノリアに遊びに行ってるみてぇだなぁ」


「そうなの? でも、アルストロメリアとデッドネットルには行っていなそうだったよ?」


「マグノリア王は腰が痛いらしくてなぁ。ベリアルが、さすると痛みがやわらぐって言ったみてぇだぞ?」


「え? だったらわたしが治すのに」


「ははは! かわいい孫に腰をさすられると嬉しいもんだろ? 本当に痛いわけじゃねぇんだ。まぁちょっとは痛いかもしれねぇけどなぁ」


「そうなんだね……安心したよ。あ、時々会っていたから市井の広場でベリアルを抱っこしなかったんだね。普段だったらベリアルの取り合いになるのに、変だと思ったんだよ」


「マグノリア王は他の王達より一枚も二枚も上手うわてだからなぁ」


「それは分かるよ。マグノリア王に比べたらあの性格の悪いデッドネットル王でさえかわいく見えてくるからね」


「ははは! 年の功だなぁ。まぁ、マグノリア王ならベリアルに悪さをしねぇだろう。それになにかありゃ、空間移動で逃げてくればいいんだからなぁ」


「そうだね。ベリアルはまたお腹パンパンで帰ってくるんだろうね」


「だろうなぁ。不思議だよなぁ。動けねぇほど腹がパンパンでもすぐに『腹が減った』って言うんだからなぁ」


「無限の胃袋なのかな? でもトイレに行っている姿を見た事が無いんだけど……」


「言われてみりゃ、そうだなぁ。不思議だなぁ。って、オレらも創り物の身体だから便所には行かねぇけどなぁ」


「確かに! でも胃袋はありそうだよね? うーん……内臓はどうなっているんだろうね」


「創り物の身体だからなぁ。よく分からねぇなぁ。あ、ベリアルが帰ってきたな」


 あ、本当だ。

 食べ過ぎて飛べないのかな?

 眩しくないように少し離れた所に空間移動したから、そこで休憩しているみたいだ。

 ぐふふ。

 仰向けに寝転がってかわいいね。

 思った通り、お腹がパンパンだよ。

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