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次から次に問題は起こる

 突然、露店商市場に竜巻が起こる。

 と言っても屋台を巻き込んだりせずに、まっすぐわたしに向かってきている?

 

「なんだ!?」

「竜巻だ!」

「危ない! 逃げろ!」


 市場の人間達が突然現れた竜巻に慌てているね。

 でも、この竜巻……多分吉田のおじいちゃんが風を操っているんだよね?

 さっき忍び装束に着替えていたけど、まさか……


「ははは! あははは! うっぷ……」


 うわあぁ……

 竜巻の中から吉田のおじいちゃんの笑い声が聞こえてくるよ。

 竜巻からかっこ良く登場するつもりなんだね。

 でも、あんなにグルグル回って大丈夫なのかな?

『うっぷ』って聞こえたような?


 竜巻がわたしの目の前で止まると中から忍者が現れる。

 この世界の人間は忍者なんて知らないよね?

 どうするつもりなの?

 しかも思った通り、目が回ってフラフラしているよ?

 

「み……皆の者頭が高い! こ……こちらのお方をどな……いて……どな……痛……おぇ……」


 吉田のおじいちゃん……

 舌を噛んでいるね。

 目が回って気持ちが悪い上に、普段使わない敬語を使おうとするから……

 わたしにはもう事態を収集できないよ?

 いたたまれなくなってきたよ。


「なんだ? お前? 愚か者が一人増えたな?」


 貴族の息子……

 その通りだよ。


「うわあぁ! 眩しい!」


 え?

 突然、目が開けていられない程の光が市場を包み込む。

 人間達が、あまりの眩しさに目をふさいでしゃがみ込んでいるね。

 これは天族の空間移動の光?

 まさか、見かねたお母様が助けに来てくれたとか?


「姫様!」


 え?

 光の中から女性の声がする。

 でもお母様じゃないね。


「姫様!」


 ……え?

 誰?

 また忍者?

 顔は忍び装束に隠れていて見えないけど、この声は……


「おあいちゃん!?」


 なんで忍者!?

 しかも、他にも何人かいるよ!?

 あ……

 一人は確実に雪あんねぇだね。

 背が二メートルくらいあるよ?

 ん?

 隣の背の低い忍者はおばあちゃんかな?

 氷でできた銃を持っているよ。

 以前、あれでお父様を攻撃していたよね……

 もう一人は?

 誰かな?

 うーん?

 

「お前……赦さない。かわいい姪を侮辱した罪は重いわよ?」


 え?

 翼は無いけどこの声は……

 人化したヘラ!?

 一番来ちゃダメな人が来ちゃっているよ!?

 しかもかなり怒っているね。

 もう誰にも止められないんじゃない?

 お父様!

 お父様なら止められるかも!


「あれ? 天ちゃんはどこだ?」

「え? 一緒に来たはずだぞ?」

「ヘラが怖くて逃げたんだろ?」


 うわぁ……

 空間移動だけしてさっさと逃げたんだね。

 お父様らしいよ。

 ん?

 じゃあ、もう誰にもヘラを止められないっていう事!?

 怒り狂ったハデスも、ヴォジャノーイ族のおじちゃん達になんとか止めてもらっている状態だし。

 

 ……あれ?

 もしかしてリコリス王国ごと、人間の国が消滅しちゃうんじゃ?

 どうしよう。

 なんとかして二人を落ち着かせないと。

 でも、どうやって!?

 一番強いであろう吉田のおじいちゃんはフラフラだし……

 どうすれば……


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