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ベリアルとスーたん(3)

今回はベリアルが主役です。

「「「キャー!」」」


 広場に集まった奴らも、スーたんのかわいさに大興奮だ。

 分かる。

 分かるぞ。

 スーたんは超絶かわいいんだっ!


 ん?

 屋根の上にいるのはベリス王か?

 うわ……

 ニヤニヤ笑ってるぞ?

 そうか、スーたんグッズを作れば儲かるって考えてるんだな。

 ベリス王は相変わらずだ。


 あ、客席にばあちゃんとじいちゃんが見える。

 あのでかい二人は雪あんねぇと人化したウェアウルフか。

 そういえば皆で見に来るって言ってたよな。


 それにしてもなんだ?

 うちわに書いてある、あの文字は……


『甘噛みして』

『翼で叩いて』

『お尻振って』


 ……こいつら皆、変態なのか?

 まさかオレは今、変態の巣窟に投げ込まれたんじゃないよな?


 考えても仕方ないか。

 やるしかないんだからな。

 よし!

 今度こそ……


「今から、オレとスーたんのステージが始まるぞっ!」


「「「キャー!」」」


 オレとスーたんのかわいさで、ここにいる皆を魅了してやるっ!


 さあ、ステージの始まりだ!


 始まってしまえば、あっという間だった。

 真っ白いフワフワドレスから、かっこいい騎士服に着替えて、その次はラストのハチの着ぐるみ……

 スーたんは完璧に歌って踊っているけど、いつの間に練習したんだ?


「はぁはぁ……結構疲れるな。スーたんは平気か?」


「うんっ! すごく楽しいよっ!」


「そうか。スーたん、ハチの着ぐるみがすごく似合ってるぞ?」


「えへへ。メリアルお兄たん、ありがと」


 くうぅ!

 スーたんは超絶かわいいよっ!


「「「キャー!」」」


 あ、マイクで今の会話が丸聞こえだったみたいだ。

 よし、最後の曲だな。


「じゃあ、これが最後の曲だ!」


 この歌はリコリス王国の国歌らしいな。

 宰相をしてるメガネの兄ちゃんがニヤニヤしながらオレを抱っこして『子守唄ですよ』って歌ってくれたんだ。

 歌詞は無いからハミングすればいいらしいけど……

 国歌だから間違えられないよな。

 でも、いっぱい練習したから絶対上手くできる!

 

 スーたんと頷き合うと『せーの』でハミングを始める。

 オレとスーたんのハミングが会場に響くと……

 人間達が泣いている?

 あぁ……

 確かこの国歌は戦で酷く荒れたリコリス王国を復興させる時に皆が口ずさんだもの……だったか?

 その時は貴族も平民も関係なく協力して復興したらしいな。

 遥か昔の事らしいけど……

 その頃は貴族も平民も仲が良かったのか?


 ふぅ……

 なんとか上手くできたぞ。

 でも、ハミングが終わると会場が静まり返った……?

 あ……

 何か間違えたのか?

 どうしよう……

 最後の曲だったのに。

 スーたんも皆の反応に困ってるみたいだ。


「ヒヨコ様! すごく素敵でした!」


 え……?

 今の声は……

 クッキー屋のジャック?


「……ジャック」

 

 馬車にひかれた怪我が治って本当に良かった。

 今日も元気いっぱいだな。

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