スーたんとぺるみの内緒話(6)
今回はスーたんが主役です。
ぺるみ……
さっきまでの優しい顔と全然違う。
今にも、よだれを垂らしそうなくらい変態的な顔だ。
まさか……
「ぺるみは……オレが生意気な事を言うたびに興奮していたのか!?」
神の娘なんだよな?
そんな事があるのか?
「ぐふふ。そうだよ。あ、でもわたしはベリアルへの変態心の方が強いんだよね」
「そうなのか?」
信じていいのか?
いきなり抱きついてきたりしないよな?
「うん。だから、スーたんは安心していいよ。ベリアルへの愛は止められないけど、スーたんには歯止めが利くから」
「……それはそれでオレが負けているみたいで嫌だな」
「ん? じゃあベリアルにするみたいに、よだれと鼻血を垂らしながら頬擦りしてもいい?」
うわ……
そんな事をしていたのか。
「……それは、かなり嫌だな」
「でしょ?」
「『でしょ』ってなんだよ……自分でも変態だって分かっているなら、やめればいいだろ?」
「それが、やめられないんだよねぇ。あははっ!」
「うわ……ベリアルも災難だな」
「いや、それがね? それほど嫌じゃないみたいなんだよ」
「……え? そうなのか?」
「うん。だって本当に嫌なら火で攻撃したり、空間移動で逃げたりするはずでしょ?」
「火で攻撃って……」
普通、火で攻撃なんてしないだろ……
ベリアルは、かなり我慢しているんだろうな。
「だから、そんなに嫌じゃないんだよ」
「……ぺるみは強靭な心の持ち主なんだな」
絶対に嫌だろ。
ベリアルが優しいだけだな。
かわいそうなベリアル……
「ん? そうかな?」
ダメだ……
かなり気を遣って遠回しに変態だって教えようとしたけど何も伝わらないぞ。
あぁ……
ぺるみに気に入られたら、よだれと鼻血を垂らしながら頬擦りされるのか。
絶対に、気に入られたくない……
ベリアルには悪いがオレの代わりに、このままぺるみに頬擦りをされ続けてくれ。
それにしても、こんな変態がこの世界を見守るのか?
心配だ。
心配過ぎるだろ。
しかも、あのベリアルも『見守る者』?
お菓子を食べてぐうたらして、またお菓子を食べてぐうたらするあのベリアルが……
不安しかない……
この世界は別の意味で破滅に向かっているんじゃないか?
誰かまともな存在がいないと、この世界が終わる!
「あ……ぺるみ。オレもこの世界を『見守る者』になりたいんだけど……」
オレが変態ぺるみと、ぐうたらベリアルからこの世界を守らないと!
「え? スーたんも? うわあぁ! スーたんがいてくれたらベリアルも喜ぶよ」
はあ……
仕方ないな。
オレがこの世界を幸せに導いてやるか。
手始めに、この広場いる人間達を幸せにしてやろう。
オレの華麗な歌と踊りでな!




