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スーたんとぺるみの内緒話(4)

今回はスーたんが主役です。

「ドラゴン王達は異世界で暮らしているのか? でも、もうすぐ帰ってくるってどういう事だ?」


 異世界の方が便利な物がいっぱいあるって第三地区の誰かが言っていたけど……

 ドラゴン王達は、こっちの世界の方が好きなのか?

 第三地区の皆も便利過ぎるのは良くないみたいに言っていたよな?


「向こうの世界はもう限界まできているみたいなの。生き物が暮らせないくらい傷ついてしまってね」


 ぺるみが悲しそうに教えてくれたけど……


「何があったらそんな事になるんだ?」


「……戦争……使ってはいけない兵器。それと、人々が豊かに暮らす為に大地に無理をさせ過ぎてしまったの」


「センソウ? ヘイキ?」


「……酷い戦の事だよ。人々は殺し合いをして領地を増やそうとしたの。そして、絶対に使ってはいけない物を……そのせいで大勢の人々が亡くなって、大地も酷く傷つけられてね」


「そんな……」


「他国を牽制する為に兵器を増やして……」


「ケンセイ?」


「兵器を使われたくなければ自分の国に手を出すな。言う事を聞けってね」


「……皆で仲良くできないのか?」


「本当は、そう思っているんじゃないかな? 普通に暮らしている人達は平穏な暮らしを望んでいるはずだよ」


「え? じゃあどうして酷い戦なんてするんだ?」


「中には戦を好む兵士もいるかもしれないけど……普通の人が兵士にされる事もあってね。戦で、目の前にいる敵兵は誰かの父親や兄弟なの。殺したくない……でも殺さないと自分が殺される。だから殺さなければいけない。生きる為にね。……そんな過酷過ぎる状況に放り込まれて……でも、戦争をするって決めた偉い人は頑丈な建物で指示を出すだけなの」


「なんだよ、それ。魔族の種族王とは全然違うじゃないか。種族王は種族を守る為に必死に戦うのに……」


「戦が始まると……兵士も傷つくけど、普通に暮らしている人達も被害を受けるの。いきなり攻撃されて家族も家も……全てを失って……それでも戦は終わらないの」


「じゃあ、いつ戦は終わるんだ?」


「どちらかが……完全に敗けを認めるまで……? わたしには分からないよ。結局、戦は偉い人が勝手に始めて偉い人が『終わり』って言うまで続くんだから」


「なんだよ……そんなの変だよ。魔族の種族王は皆を守るのが役目なのに、異世界の偉い奴は違うのか? 自分の民が傷ついても平気なのか?」


「スーたん……わたしの話を真剣に聞いてくれてありがとう」


「……え?」


「この世界の事じゃないのに最後まで真剣に聞いてくれたでしょう?」


「最後……? これでこの話は全部なのか?」


「……悲しいね。わたしは向こうの世界で暮らしていたから……あの世界に生き物が暮らせなくなるなんて辛いんだよ。でも……もうなんともならないところまで来ているらしくてね」


「バカだな……大バカだよ。なんで戦なんてするんだよ。なんで誰も住めなくなるような事をするんだよ。結局誰も幸せになんてなれないじゃないか」


「偉い人の考える事は分からないよね……戦なんて殺し合いなのに。大切な自国の人々が兵士になって殺されるのに。人殺しをさせられるのに、どうしてそんな事をするんだろうね。皆、ただ穏やかに暮らしたいだけなのに……」


「この世界の人間もそうなるのか? 異世界で戦をしてる『人』って人間なんだよな?」


「この世界を向こうの世界みたいにしたくない……そう話したらベリアル達がわたしと一緒に『見守る者』になるって言ってくれたの」


「見守る者……?」


「うん。この世界の人間が間違った道に進まないように見守るの」


「……! そんな事ができるのか?」


 ぺるみは神の娘だからできるのか?

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