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四大国のアカデミー魔術科対抗魔術戦、始まる

 四大国の王様達と空間移動で市井の広場に戻ると……

 すごいね。

 皆ずっと目を閉じて待っていたのかな?

 誰も眩しがらないよ。


「皆! 戻ったぞ! 目を開けてくれ!」


 ベリアルが叫んだけど……

 大声で叫ぶヒヨコちゃんも激かわだよっ!


 ん?

 皆が目を開けた?

 もしかして、さっきベリアルが『目を閉じろ』って言ってからずっと目を閉じていたの!?

 人間はベリアルのぬいぐるみに夢中だからベリアルの言う事ならなんでも聞くのかな?


「さて、では始めますかな」


 マグノリア王が、ベリアルを見てニヤニヤしながらお兄様に話しかけたね。


「はい。では……只今より『四大国のアカデミー魔術科対抗魔術戦』を開催する!」


 お兄様の開式の挨拶に、広場にいる人間達が歓声をあげる。

 おぉ……

『リコリス王ラブ』とか『こっちむいて』とか書いてあるうちわが見えるね。

 相変わらずお兄様人気はすごいよ。

 女の子達の『キャー』の黄色い悲鳴の中に『うおー』っていう野太い声も聞こえてくるね。

 ファン層の厚さを感じるよ……



 こうして魔術戦が始まると……

 やっぱり人間の魔力は弱いね。

 遥か昔に魔族との間に生まれた子供達の子孫か……

 その魔力が長い時を経て消えそうになっているんだ。


 あ……

 リコリスアカデミーの番になったね。

 ジャック達がガチガチに緊張しながらステージに立ったよ。


「なんだ。ジャック達は緊張してるみたいだな。モグモグ」 


 ベリアルがお菓子を食べながら心配しているけど……

 この後『全種族ベリアルアイドル化計画』のステージが始まる事をすっかり忘れているよね?

 

「えっと……そんなに食べて大丈夫?」


 この後のステージで動き回れるのかな?


「ん? 朝飯が少なかったからお腹が空いたんだ。モグモグ」


 やっぱりステージの事を忘れているみたいだよ。


「あはは……そうなんだね」


 緊張させたらかわいそうだからステージの事は黙っていよう。


「ジャック! いつも通りにやればいいんだ! 落ち着いてやれ! モグモグ」


 ベリアルの声が聞こえたジャック達が笑顔になって魔術を使い始めた。

 緊張して手が震えているみたいだけど真剣な表情だ。


 砂に色をつけて風で舞わせたり、土に種を蒔いて花を咲かせたり……

 市井にいる人間達から大歓声があがっている。

 すごいね。

 立派だよ。

 頑張って練習してきた姿を思い出して涙が出てきちゃった。


 あ……

 ベリス王子とイフリート王子も見に来ているね。

 良く見えるように屋根の上にいたんだ。

 不思議だね。

 魔族が人間に魔術を教えていたなんて……

 魔族と人間が仲良く暮らす世界に一歩近づいたっていう事かな?

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