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これからは子孫に酷い事をさせずに済むんだね

「ああ! デッドネットル王! ずるいですよ。ヒヨコ様! アルストロメリアのおいしいお菓子も是非!」


 アルストロメリア王とデッドネットル王で、ベリアルの取り合いになっているよ。

 四大国の王様達はベリアルの事が大好きだから、もう会えなくなるのは悲しいよね。


「ははは! ヒヨコ様は大人気ですなぁ」


 マグノリア王がゴンザレスをこねくり回しながら笑っているね。

 ん?

 ゴンザレスの口がモグモグ動いている?

 

(ぺるみ様! すごくおいしいキャラメルですよ! モグモグ)


 ゴンザレスもいつの間にか餌づけされていたんだね。


「ペリドット様は、さらにお美しくなられましたなぁ」


 マグノリア王がゴンザレスの口にキャラメルを入れながら話しかけてきたけど……


「あはは……それはどうも……」


 美しいなんて……

 どう返事をしたらいいのか分からないよ。


「ははは! 褒められると恥ずかしいのですね」


「そうなんだよ。変態とか、ど変態とかしか言われ慣れていないから」


「ははは! そうでしたか。……ペリドット様?」


「ん? どうかした?」


 マグノリア王が真剣な表情になった?


「もう、お会いするのも最後になるかもしれません。一言だけ……よろしいでしょうか?」


「うん……」


 悪口とかじゃないよね?

 はっ!

 まさか、ベリアルとゴンザレスだけ置いていけとか?


「長年に渡る二代前の聖女様への冒涜をとめていただき本当にありがとうございました」


「……! マグノリア王……」


 洞窟に隠されていた聖女の事だね。


「本当に……本当に……ありがとうございました」


「聖女は幸せの島で安らかに眠っているから安心してね」


「……はい。ペリドット様」


 マグノリア王が穏やかな表情になったね。

 代々の王様が、なんとかして聖女を蘇らせようと酷い事をしてきたみたいだし……

 これからは、子孫にそんな事をさせなくて済むから安心したんだろうね。


「ん? マグノリアのじいちゃんは聖女に会いたいのか? うぅ……頬擦りが強い……」


 ベリアルがアルストロメリア王に頬擦りされながら尋ねてきたね。


「え? あぁ……二代前の聖女様は四大国の王にとって特別なお方ですから」


「ふぅん。まだ魔術戦は始まらないよな? よし! 皆! 目を閉じろ!」


 え?

 ベリアル!?

 まさか……


 あぁ……

 やっぱり……

 ベリアルが空間移動して幸せの島に来ちゃっているよ。

 四大国の王様達がしっかり目を閉じているね。

 空間移動はかなり眩しいから……

 広場にいた人間達は大丈夫かな? 

 って……

 マグノリア王は目を閉じながら、ずっとゴンザレスをこねくり回しているよ。


「もう! ベリアルってば!」


「良いだろ! これで最後なんだから! ほら、もう眩しくないぞ!」


 王様達が目を開けると、珍しそうに桜の木を見上げている。


「お兄様、王様達、ごめんなさい。突然連れてきちゃって……」


「ああ! 目を開けていれば治癒の力でさらに毛量が増えたのに……」


 アルストロメリア王は相変わらずだね。


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