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四大国の王様達は相変わらずだね

『四大国のアカデミー魔術科対抗魔術戦』


 人間の四大国……

 

 リコリス王国

 アルストロメリア王国

 マグノリア王国

 デッドネットル王国


 この四つの大国にあるアカデミーから五人ずつ選抜された学生達が魔術を披露する大会。

 昔は学生同士が魔術で戦っていたらしいけど、今は派手なパフォーマンスをして観客を魅了するものに変わっているらしい。


 すごい熱気だよ。

 一段高い場所に四大国の王様の為の四つの椅子が用意されるはずだけど、椅子が五つある?

 ひとつはわたしの椅子かな?


「ペリドット……」


 お兄様が優しく微笑みながら迎えてくれた。

 皆がいるからペルセポネじゃなくてペリドットって呼んでくれるんだね。


「お兄様……おはよう」


「一晩でずいぶん成長したみたいだね」


「うん……わたしも驚いているの」


 天界のうどんみたいな木の実の力はすごかったよ。


「綺麗だ……」


 綺麗!?

 わたしが!?


「……! 恥ずかしいよ」


「思った事は口に出して伝えたいんだ。これからは……なかなか会えなくなるからね」


「お兄様……!」


 涙が出てきそうだ。

 でも我慢しないと……

 

「ペリドット……」


 お兄様が心配そうにわたしを見つめている。


「ペリドット様……どうか泣かないでください」


 この声は……

 アルストロメリア王?

 おお……

 サラサラの長い髪が風になびいているよ。

 髪の薄さに悩んでいた頃とは違ってキラキラの表情だ。

 髪だけじゃなくて肌艶も良くなっている?

 身体中から幸せオーラが溢れているけど……


「アルストロメリア王……久しぶりだね」


「はい。すっかりご無沙汰してしまいまして……実は王妃が内定しました」 


 少し恥ずかしそうに話しているアルストロメリア王は、かわいいね。


「そうなの? おめでとう」


「はい。あまりに若く美しい為に想いを伝えようか迷ったのですが……勇気を出して一歩踏み出してみました」


「お相手は若くて綺麗な人間なんだね。アルストロメリア王は優しくてかわいいから、きっと幸せに暮らせるよ」


「わたしがかわいい? 彼女にも同じ事を言われました」


「ふふ。仲良しなんだね」


「あ、彼女からペリドット様に伝言が」


「え? 会った事が無いわたしに? ずいぶん律儀なんだね」


 聖女ルゥだったわたしに浄化のお礼を言いたいのかな?


「あぁ……いえ。彼女はペリドット様の友のはずですが」


「……? わたし、アルストロメリアに友達はいないけど……?」


「いやぁ、少し前に会った時には怖い印象しかなかったのですが使節団として現れた彼女は、それは可憐で優しくて……何度も何度も気持ちを伝えたのです」


「使節団?」


 うーん……?

 使節団?


「『自分の気持ちに素直になったら良い事ばかりだ。祖父と父を説得する為に苦労したと伝えて欲しい』と」


 ……ますます分からないね。

 

「おい! やめろ! 髭が痛いっ!」


 ん?

 この声は……

 あぁ……

 ベリアルがデッドネットル王に頬擦りされているんだね。


「ヒヨコ様……なんと愛らしい。そうだ! 珍しいお菓子をお持ちしました」 


「え? 珍しいお菓子? やったあ! えへへ。何かな? 何かな?」


 ベリアルは簡単過ぎるよ。

 それに、ステージがあるから緊張して食欲が無いとか言っていなかった?

 さっきもブルーベリータルトをモグモグ食べていたよね?


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