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悪い事をしたら『ごめんなさい』って謝らないと痛い目に遭う事になるよ?

「よし! 身体も聖女様のお陰で治ったし今から仕事だ!」


 おお!

 おじいさんが元気に立ち上がったね。

 

「おじいさん、内臓もやられていたからまだ無理しない方がいいよ?」


 今日一日くらいは大人しく寝ていて欲しいんだけどな。


「聖女様にどうしてもオレが作ったカルメ焼きを食べて欲しいんですよ」


 カルメ焼き?

 ってあのカルメ焼き?


「カルメヤキってなんだ? 甘いのか? 旨いのか?」


 いつの間にかおばあさんに抱っこされて撫でられているベリアルがつぶらな瞳をキラキラ輝かせている。

 くぅぅ!

 かわいいねっ!


「そのヒヨコ……様、話せるのか!? すごいな」


 おじいさんが驚いているね。


「うん。魔族じゃないから安心してね? 甘い食べ物が大好きなの。おじいさんのお店は壊れちゃったんだよね? 直すのを手伝おうか?」


 露店商市場のお店は簡素な物だから簡単に壊れちゃうのかな?


「それなら大丈夫だよ? 昨日のうちに皆で直したから」


 男の子がベリアルを撫でながら教えてくれる。

 なるほど、市場の皆は協力し合っているんだね。

 困った時は助け合うのか。

 素敵だね。 


「そうか。ありがたいなぁ。よし、ヒヨコ様にも旨いカルメ焼きを作りますね?」


 おじいさん、嬉しそうだね。

 わたしまで嬉しくなるよ。


「あのね? わたしの事はペリドットって呼んで欲しいの。今は魔素で閉ざされていた国の王女の身体だから」


 また嘘をついちゃった。


「ペリドット……様? 姉ちゃんじゃダメかな?」


 この男の子は本当にかわいいね。


「ふふ。いいよ。わたしもかわいい弟ができたみたいで嬉しいよ?」


「お話し中、申し訳ございません。ペリドット様、また貴族が市場で暴れているようです。わたしの方で処理いたしましょうか?」


 外で待っていた公爵が中に入ってくる。

 昨日おじいさんを怪我させた人間かな?


「うーん。それだと公爵に迷惑をかけちゃいそうだから。わたしが行ってみるよ。昨日暴れた人間だったら、ちゃんと罪を償わせないといけないから」

 

 おじいさんとおばあさんもいるから、ゆっくり市場に歩いて向かう。


「罪を償わせる……ですか?」


 公爵が歩きながら尋ねてくる。


「うん。抵抗できない立場の人間を二人も怪我させた上に食い逃げをしてお店まで壊したんだよ? こんな事をして赦されるはずがないでしょ?」


「平民が相手ですから、捕らえたとしてもすぐに釈放されるはずです」


 公爵の言う通りだね。

 そうなるだろうね。


「やっぱりね。もし、昨日暴れた人間で、謝らずに罪を償わなかったとしたら……わたしなりの罰を与えるよ?」


「ペリドット様なりの罰とは? 裏から手を回して家門を潰す……とかではないですよね? 陛下の力を貸りるおつもりですか?」


「違うよ? わたしの今の家族に協力してもらって商売でちょっと痛い目に遭ってもらうだけだよ? もちろん領地の人間には害が出ない程度にだけど。でも、罪を償っておじいさんと男の子が赦してくれるなら、わたしは何もしないけどね?」


 貴族は皆、領地で商売をしているからね。

 少し痛い目に遭ってもらうよ?

 その辺りは魔族のベリス王が手伝ってくれる約束になっているからね。

 お父さんの誕生日の宴の時に『ぺるみ様に手出しする人間にはわたしが手を回し領地の商売の邪魔をして差し上げましょう』って言いながら悪い顔をしていたからね。

 ベリス王は人化して人間相手に(悪どい)商売をしているらしいからね。

 もし謝罪をしないなら、しっかり懲らしめさせてもらうよ?

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