表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1249/1484

公爵は今でもおばあ様を大切に想っているんだね

 二代前の聖女か。

 オケアノスの為に世界を浄化した聖女だよね?

 今は隠されていた洞窟から出て、幸せの島に眠っているけど……

 確か亡くなる前に何度かオケアノスに会っていたんだよね?

 その時に『世界の果てに住んでいる』ってオケアノスが話したのかな?

 それで、他にもいるであろうオケアノスの子孫に居場所を教える為に世界中に広めさせた……とか?

 

 うーん……

 うどんみたいな木の実の力がだいぶ薄まってきたみたいだ。

 頭が回らなくなってきたよ。


「はぁ。ついにお別れですか。まだ会えると分かっていてもやはり寂しいですね」


 公爵がベリアルのボンネットを真上から見てニヤニヤし始めたね。

 分かるよ。

 その気持ち。

 ボンネットの隙間からベリアルのツインテールが飛び出ているんだよね。

 さすがベリス王だよ。

 ボンネットに少し穴を開けてツインテールがはみ出るようにしたんだ。

 堪らない……

 堪らないよっ!


 でも、こんな変態心をベリアルに知られたらボンネットを被りたくないとか言い出しそうだから気をつけないと。

 

「公爵はこれからどうするの?」


「どうするとは?」


「もうアルストロメリア王国には戻らないの?」


「そうですね……兄は悪者になってまでわたしを生かしてくれました。その想いを無下にしたくはないのです」


「公爵は、お兄さんの事が大好きなんだね」


「もう亡くなってしまいましたが、心の清らかな素敵な兄でした」


「……公爵もだよ」


「え?」


「公爵も心が清らかな素敵な人間だよ」


「ペリドット様……」


「シャムロックのおじいちゃまとおばあ様を守って助けてくれてありがとう。公爵がいてくれたから二人は生きていられたの」


「わたしの方こそ……カサブランカの存在があったから生きてこられたのです。カサブランカとの楽しい思い出がなければ、このリコリス王国で生き延びる事はできなかったはずです」


「素敵な関係なんだね」


「淡い恋心に気づいた時には……もうカサブランカの心はシャムロックの王子に奪われていました。ですが、それで良かったのです。なんだかんだ言いながらカサブランカは今でもあいつを愛しているようですから」


「あいつ? あはは! おじいちゃまの事を良く思っていないんだね」


「当然です。好き勝手してカサブランカを苦しめているのですから。ですが、カサブランカはダメ男好きですからね。あれくらいダメ男の方が良いのかもしれません」


「公爵も複雑だね」


「はい。わたしが結婚していればもっと幸せにしてやれたとも思いますが……それは違うのでしょうね。わたしが思う幸せをカサブランカに押しつけるのは良くありませんから」

 

「押しつけの幸せ……か」


 幸せはそれぞれ違うからね。

 公爵とカサブランカの幼い頃の物語は

『幼馴染みのガサツな侯爵令嬢は魔物クマポイを一撃で倒すほど強いと判明したので怖くて逆らえないし、恋心を抱くなんて絶対にあり得ません』

 に書いてあります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ