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二代前の聖女……?

「では、行きましょうか」


 公爵がエスコートしようとしているけど……


「……? どこに行くの?」


「『四大国のアカデミー魔術科対抗魔術戦』にですよ。わたしから陛下にお願いしたのです」


「何を?」


「ペリドット様がアカデミーに通う前……初めてお会いしたのはわたしが乗る馬車の中でした」


「あぁ……あの時は突然現れて膝に乗ってごめんなさい」


「ははは! 素敵な思い出ですよ」


「懐かしいな……最近の事なのに、ずいぶん前みたいに感じるよ」


「あの時の事を思い出して……最後に馬車で移動したいと陛下にお願いしたのです」


「公爵……」


 なんだか寂しいね……

 これで最後なのか……

 馬車に乗ると公爵がベリアルを抱っこする。

 あぁ……

 早速頬擦りされてベリアルがグッタリしているよ。

 でも、大好物のブルーベリータルトを渡されてご機嫌になったね。 

 サクサク夢中で食べている。

 こんなに食べているのに緊張して食欲がないなんてよく言えるよ。

 でも……

 超絶かわいいっ!


「あ、ですがプルメリアでの事が解決したらカサブランカと船に乗り『幸せの島』……? でしたか、そちらにお邪魔したいと思っています。捜し人が待っていると言われる『世界の果て』ですか……楽しみです」


 捜し人が待っている幸せの島か。

 幸せの島で最初に暮らしていたのはオケアノスだったんだよね。

 そこに魔族の姿になった吉田のおじいちゃんが来て二人で暮らし始めたんだ。

 おばあちゃんは時々オケアノスを遠くから見つめては涙を流していたらしい。

 オケアノスはそんな二人を両親だと薄々分かっていたみたいだけど……

 人間の家族と暮らせなくなって落ち込んでいたオケアノスは二人を見てどう思っていたんだろう。


 一緒にいてくれて嬉しい?

 それとも、今頃現れてなんなんだ……とか?

 

 うーん……

 捜し人が待っている幸せの島……?

 家族を待っているオケアノスがいる幸せの島……とか?

 うーん……

『誰かが捜している人』が待っているんじゃなくて『誰かが捜してくれるのを待っている人』がいる島?

 

 どうして、人間は世界の果てに捜し人が待っているなんて言い始めたんだろう。

 人間が世界の果ての存在をどうやって知ったの?

 

 まるで『オケアノスが世界の果てで待っているから会いに行って欲しい』みたいな言葉に思えてくるよ。

 誰かにオケアノスの居場所を教えたいみたいな……

 考え過ぎかな?

 

「そうなんだね。良かったよ。これで最後なんて寂しいから。ねぇ、誰が『世界の果てに捜し人が待っている』なんて言い始めたんだろう。公爵は何か知っている?」


「ああ。それは……聖女様ですよ。ペリドット様ではない聖女様です」


「聖女……?」


「はい。確か二代前の聖女様だったかと……亡くなられる前に世界中に広めて欲しいと願われたとか。まあ、遥か昔の話なのでどこまでが事実かは分かりませんが」


「二代前の聖女が……?」


 確かに遥か昔の話だからどこまでが事実かは分からないけど……

 やっぱりオケアノスが関係しているのかな?

 

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