表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1240/1484

吉田のおじいちゃんとペルセポネ(3)

「そうか、そうか。大好きなハデスちゃんが騙されるのが嫌なんか。ぺるぺるは、かわいいなぁ」


 吉田のおじいちゃんが優しく微笑んでいるね。


「……ハデスはずっと苦労してきたから誰かに騙されたりする姿を見たくないんだよ」


「そうだなぁ。ハデスちゃんは闇に近い力のせいで天界でも苦労してきたみてぇだからなぁ」


「ハデスは、いつも誰かの為に行動していて、すごく優しいんだよ。だから、これからは毎日穏やかに過ごして欲しいの」

 

「そうだなぁ。でも、確かにやり方はダメだけどベリス王の品物は最高だ。いつも、真剣に物作りをしてるからなぁ」


「……それも分かるから強く言えないんだよ。ベリス親子は、ちゃっかりさんだけど商売に対しては常に誠実だからね」


「まぁ、ハデスちゃんが搾り取られたらまたじいちゃんが新しい金山を創ってやるから赦してやってくれ」


「金貨の問題じゃないんだけど……」


「ハデスちゃんは、ぺるぺるやうさちゃんを想って金貨を使ってるんだ。ベリス王だってその時必要な物をハデスちゃんに用意するんだから、それでいいんじゃねぇか? ハデスちゃんだって、いらねぇ物までは買わねぇだろ」


「それもそうだね。お母様にも同じ事を言われたよ。ダメだね。わたしはハデスの事になると冷静になれなくて」


「それだけハデスちゃんを好きって事だろ。本当にぺるぺるは、お姉さんになったんだなぁ」


「ねぇ? 吉田のおじいちゃんは、おばあちゃんの為なら何でもできる? ほら、お母様はお父様のお世話が大変だけど嫌そうじゃないでしょ?」


「ははは! そうだなぁ。じいちゃんはお月ちゃんの為なら何でもできるぞ。心から大切な存在だからなぁ」


「そっか。えへへ。安心したよ」


「んん? 安心?」


「これもお母様に言われたの。わたしがお父様とお母様よりもハデスを好きになるのは寂しいけど、ハデスになら安心して任せられるって」


「そうだなぁ。確かにハデスちゃんになら、かわいいぺるぺるを安心して任せられるなぁ」


「わたしも同じ気持ちだよ。吉田のおじいちゃんだから大切なおばあちゃんを任せられるの」


「ぺるぺる……」


「えへへ。わたしは吉田のおじいちゃんの事もおばあちゃんと同じくらい大好きだから……これからもおばあちゃんをよろしくお願いします」


「……ああ。これからは絶対にお月ちゃんを泣かせたりしねぇ。もう、絶対に。だから、ぺるぺるも安心して幸せになるんだぞ」


「うん。ありがとう」


 吉田のおじいちゃんと微笑み合うと気持ちが穏やかになるのが分かる。

 皆が幸せに向かっているのを感じて嬉しくて堪らない。

 色々あったけど……

 辛い過去を乗り越えてきたから、今の幸せのありがたみを痛感するよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ