表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1225/1484

サプライズパーティーは自分からお願いするものじゃないからね

 お母様と吉田のおじいちゃんと一緒にお父様の寝室に行くと……

 お父様が喜んでいる?

 目が覚めたみたいだね。


「あ、ペルセポネっ! 見て見て。この木の実は飲むと媚薬になって、鼻から吸うと元気になるんだっ! お父様が見つけたんだよ。すごい? ねぇ、すごい?」 


 お父様がすごく嬉しそうにしている。

 褒めて欲しいんだね。


「ふふ。すごいね。どこにあったの?」


 話を合わせないとかわいそうだよね。


「えへへ。ベットで寝ていたらいつの間にか枕元にあったんだよ。サンタさんみたいだよね。お父様がお仕事を頑張ったからプレゼントを持ってきてくれたのかな?」


 お父様の瞳がキラキラに輝いている。

 嬉しくて堪らないんだね。


「ふふ。そうかもしれないね。へぇ。うどんみたいな木の実が二つあったんだね」


 ひとつはわたしの鼻に注入した分で、もうひとつはハデスのお茶に混ぜた分か。

 ウリエルには困ったね。

 また変な事をしないといいけど……


「えへへ。早速飾りに行かないと。ペルセポネも一緒に行こうよ。すぐ近くにこれを飾る部屋があるんだよ。皆でお父様のコレクションを見に来てよ!」


 すぐ近くに秘密の部屋があるんだね。


「うん。楽しみだよ。誘ってくれてありがとう」


「ペルセポネとは群馬でも色々拾って集めていたよね。懐かしいなぁ。ほら、どんぐりとか松ぼっくりとかさ」


「うん! そうだったよね。綺麗なきのこを持って帰ったら毒きのこで……あの時はドキドキしたよね」


「そうそう。あとは、棒切れを持って山を探検したりさ。また、やりたいなぁ」


「ふふ。そうだね」


「……ねぇ、ペルセポネ?」


「ん? なに?」


「覚えてる? もうすぐお父様の誕生日なんだよ?」


 お父様の瞳がキラキラに輝いているね。

 期待している気持ちが溢れているよ。


「忘れるはずないよ。この一か月会うたびにその話をしたでしょう?」

 

 わざわざそれを言う為だけに第三地区に来たりもしていたよね。


「サプライズパーティーの事も忘れていないよね?」


「その話も毎日聞いているから忘れるはずがないよ」


 第三地区の皆もしっかり聞いていたから、今から色々準備してくれているんだよね。


「えへへ。贈り物は何かな? ごちそうはあるかな?」

 

「お父様は楽しみで仕方ないんだね」


「だって天界の宴は、誰も心から喜んでくれないんだもん」


「そっか。第三地区の皆は今から張り切って準備しているからね。でも何回も言っているけど自分からサプライズパーティーをして欲しいなんて言うのは恥ずかしい事なんだよ。皆が準備をしている姿を見ても気づかない振りをしてね? 絶対に『もっと豪華にして』とか言ったらダメだよ」


「うん! えへへ。楽しみだなぁ。ねえねえ。贈り物は大きい物がいいなぁ」


 今の話を全く理解していないね……


「それも何回も言われているからハデスと一緒にすごく大きい贈り物を考えたの。もう、ベリス王に頼んであるんだよ。楽しみにしていてね」


 かなり、ぼったくられたんだよね……

 ハデスが支払ってくれたからなんとかなったけど、あり得ないくらい高かったよ。


「うわあぁ! 楽しみだなぁ」


 お父様が小さい子みたいに喜んでいるね。

 ハデスとのアレを覗き見していた事を怒りたかったけど、こんな姿を見たら何も言えなくなっちゃうよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ