幼女が好き過ぎて怖いんだよ（4）
「ふふ。かわいいペルセポネ……あなたはお母様の全てだったわ。身体の弱いあなたに長生きして欲しくてファルズフを怪しみながらも主治医でいさせ続けたの。でもそのせいで深く傷つけてしまった……」
お母様が苦しそうに話しているけど……
「そんな……お母様のせいじゃないよ」
「ペルセポネ……真っ直ぐに育ってくれてありがとう」
「……お母様」
「あの身体の弱かったペルセポネが今では『人間と魔族の世界』の救世主になっているなんて不思議ね……」
「わたしは救世主なんて立派な存在じゃないよ？」
「ふふ。無自覚なのね。そんなところもペルセポネらしいわ」
「わたしらしい？」
「いつも真っ直ぐで、誰かの幸せの為に一生懸命になれる……本当に素敵な女の子になったわね。だから……今度はペルセポネ自身が幸せになって欲しいの」
「お母様……？ わたしは幸せだよ」
「ペルセポネ……」
「お母様とお父様、ヘスティア達がいて……第三地区の皆や吉田のおじいちゃんとおばあちゃん、魔族の皆もいてくれる。大好きな皆がいつも温かく見守ってくれたから、応援してくれたからわたしは前に進めたの」
「そうね……ペルセポネには素敵な仲間が大勢いるのよね。仲間と言うよりは『家族』……かしらね。ふふ。ペルセポネは大家族になったわね」
「えへへ。うん！」
「……幸せなのね」
「うん。お母様がわたしの魂を群馬のある世界に逃がしてくれたからだよ？」
「ハデスとの事をあの時……遥か昔に許していればもっと早く幸せになれていたはずなのに……本当にごめんなさい」
「謝らないで……お母様はわたしを愛してくれているから感情をコントロールできなくなったんだよね。わたしはこんなに強く愛してくれるお母様が母親で本当に嬉しいよ」
「ペルセポネ……」
「これからもよろしくお願いします」
「ペルセポネは、すっかりお姉さんになって……」
お母様の瞳が潤んでいる。
わたしの成長を喜んでいるのが伝わってくるよ。
「えへへ。わたし……お母様みたいな母親になりたいな」
「ペルセポネ……！ 嬉しいわ……って……え？」
お母様が驚いた顔でわたしの背後を見つめている？
どうかしたのかな？
「お母様？」
……あれ？
誰かがわたしの髪を触っているような……？
……!?
ウリエルがわたしの髪を切ろうとしている!?
「あ……動かないでください」
ウリエル!?
『動かないでください』じゃないよ！
「何で勝手に髪を切ろうとしているの!?」
「いえ……話が長いのでわたしが切ってしまおうかと思いまして」
「はぁ!?」
さすがに怖いんだけど!?
