幼女が好き過ぎて怖いんだよ(3)
でも……
お母様だけじゃないよ。
今、お母様を騙しているウリエルだってベリス王の策略にはまっているんだから。
「もう! ウリエルはベリス王にいいように使われているんだよ。ハデスが明後日から第三地区に行かなくなるかもしれないから、違う方向から金貨を搾り取ろうとしているんだよ」
「違う方向とは?」
ウリエルが尋ねてきたけど……
やっぱりベリス王に騙されている事に気づいていないんだね。
幼女に夢中になり過ぎて周りが見えなくなっているんだ。
「ウリエルは、さっきハデスに請求書を渡していたでしょう? ベリス王はハデスの金山を狙っているんだよ!」
「……うーん?」
ウリエルが何かを考えている?
自分が利用されている事に気づいたのかな?
それとも、天族にはお金の概念がないからよく分からないのかも。
「ウリエル……? 何を考えているの?」
すごく真剣な顔だね。
「あぁ……いえ。ベリス王が……ペルセポネ様に何か言われたらこう言えと……何だったか……?」
「え……? 思い出せないの? って言うよりそれをわたしに話してもいいの? ベリス王との秘密の話じゃないの?」
「別に構いませんよ。幼女しか愛せない事以上の秘密など存在しませんから。あ、ですが幼女好きが恥ずかしいという意味ではないのです。以前にも話したように、わたしの幼女好きを知った幼女に警戒されない為に隠しているだけなのです。幼女の屈託ない笑顔に勝る喜びはありませんからね」
「……そうなんだね」
こんな話を聞いたらかわいそうになってくるよ……
でも、やっぱりわたしの子供は抱かせたくないね。
「うーん……あ、そうでした。『おじい様の金山を無駄にしてはもったいないからわたしが有効活用します』だったような……」
「……え?」
さすがベリス王だね。
ハデスの金山を吉田のおじいちゃんが創っている事を知っていたんだ。
相変わらずの、ちゃっかりさんだよ。
吉田のおじいちゃんが金山を創ってハデスに見つかるように仕向けて、その金塊をベリス王が搾り取る……
変なトライアングルになっているね。
無限に続くトライアングルだったりして……
でも、これって結局ベリス王だけが良い思いをしているんじゃないかな?
「ペルセポネ? どうかしたの?」
お母様が、真剣に考え込んでいるわたしを心配しているみたいだ。
「あ……うん。ほら、ハデスに金山を創っているのは吉田のおじいちゃんでしょう?」
「やっぱり……そうだったのね。あまりに都合良く金山が見つかると思っていたのよ」
「でも、ハデスが金山を見つけてもすぐにベリス王に搾り取られちゃうの」
「……確かにそうね。ハデスはペルセポネの為ならいくらでも支払うから」
お母様も、そう思っていたんだね。




