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幼女が好き過ぎて怖いんだよ(2)

「今はグンマのある世界は不安定らしいですからねぇ。『人間と魔族の世界』にある貸し切りリゾートに一泊……なんて、きっと楽しいでしょうねぇ」


 ウリエルが思わせ振りにお母様に話しているけど……


「貸し切りリゾート? ベリス王が始めたあの貸し切りリゾートの事かしら?」


 あぁ……

 お母様の瞳がキラキラ輝き始めた。

 確かにあの貸し切りリゾートは豪華だったからね。


「実は、お仕事を頑張っているデメテル様の体調を心配したベリス王が是非にと、この招待券を……」


 招待券?

 うわ……

 金ピカの招待券だ。

 でも、あのベリス王が無料の招待券をくれるはずがないよね?


「ベリス王が? わたしの心配を?」

  

 さすがにお母様も怪しいと思ったみたいだよ。


「はい。費用の事は心配いらないので是非にと」


「……あのベリス王が無料で? なんだか怪しいわね」


「あぁ。費用はハデス様が支払うから大丈夫だと言っていましたよ?」


「あら、そうなの?」


 え?

 ハデスからはそんな話は聞いていないけど?

 まさか……

 また勝手にベリス王が……?


「ハデス様は姉弟思いの優しいお方ですから日頃からデメテル様の事を心配しているらしく……姉思いの優しい弟を持つと幸せですね」


「ハデスが……? あぁ……なんて優しい弟なのかしら。ハデスは昔から繊細で優しい子だったの。うふふ。やっぱりハデスは世界一かわいい弟だわ」


 お母様の顔がニヤニヤしている!?

 これは……

 変態臭がするよ。

 わたしの変態はオケアノス譲りかと思っていたけど、本当はお母様に似ていたのかも……


「では……ペルセポネ様の髪を少し譲っていただけますか?」


 ウリエル……

 ベリス王にやり方が似ているね。

 まさかベリス王から、お母様とわたしの扱い方を色々と聞いてきたんじゃ……


 そうだよ。

 今まではアカデミーでわたしを守る為に『人間と魔族の世界』に行っていたハデスが、タルタロスの仕事をする事になるんだよね?

 そうなればハデスは第三地区には、ほぼ出入りしなくなるからこれからは金貨を搾り取れなくなる……

 だから、間接的にハデスに金貨を支払わせる方法を見つけ出したんだ。

 ベリス王は本当に恐ろしいよ。

 ハデスの持っている金貨を全部搾り取ろうとしているんだ。

 

「……そうね。どうせ捨てるだけだし、孫の人形を作ってもらえるなら……」


 お母様が初孫に釣られている!?


「ちょっと! お母様!? 落ち着いて! それに、わたしの赤ちゃんが女の子で髪色も同じだとは限らないでしょ!? 男の子でハデスに似た黒髪の可能性もあるよね?」


「はっ! 言われてみれば……旅行と孫に騙されるところだったわ」


 お母様……

 簡単過ぎるよ。

 この単純で騙されやすい感じ……

 やっぱりわたしはお母様似なのかも。

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