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幼女が好き過ぎて怖いんだよ(1)

「ふふ。ペルセポネには少し大きいみたいね」


 お母様の宮殿に空間移動して一番小さいドレスを貸してもらったんだけど……

 

「やっぱりお母様のドレスはわたしには大きいね。本当はもっと大きくなりたかったけど、関節が痛過ぎて無理だったよ」


「ふふ。ゆっくり大きくなればいいのよ。そろそろ神殿に行きましょうか。他の皆は執務室の奥の寝室で不思議な物が現れるのを待っているのよね。あ……でも、髪を引きずったままだと危ないわね。少し切りたいけど……」 


 確かに、背だけじゃなくて髪もかなり伸びたからね。


「じゃあ、お母様に切って欲しいな。ほら、小さい頃はお母様に髪を切ってもらっていたでしょう?」


「ふふ。そうだったわね。懐かしいわ……じゃあ、昔みたいに……」


「ペルセポネ様っ!」


 ん?

 ウリエル?

 慌てて空間移動してきたみたいだけど……?


「どうかしたの?」


 普段は死んだ魚みたいな目をしているのにキラキラに輝いているよ。

 絶対に幼女が関係しているね。


「ウラノス様がいい素材があると……」


「いい素材?」


 何かな?


「デメテル様っ! お願いです。ペルセポネ様の髪をわたしにください。なんならデメテル様の髪もくださいっ!」


「え? どうしてわたしとお母様の髪が欲しいの?」


 お母様がウリエルの発言に絶句しているね。

 わたしも心の底から気持ち悪いよ。


「デメテル様とペルセポネ様の人形に使う髪は似たような髪色の者からもらった物でして。ですが、やはりお二方の色とは微妙に違うのです。あぁ……わたしが金色の髪ではなく、お二方と同じ色だったら良かったのに……というわけで、もし切った後の髪を捨ててしまうのなら、わたしにくださいっ!」


 あぁ、そうか。

 群馬のある世界と違って、この世界にはナイロンとかで作られた人形用の髪がないんだね。

 確かに人形を作るのに苦労しそうだけど……


「嫌だよ。気持ち悪いし……」


「そこをなんとかっ!」


「自分の髪を使った人形なんて気持ち悪いよ」  


 これを許したら次は目玉をくださいとか言われそうだし。


「そうよ。ウリエル……さすがに気持ち悪いわ」


 お母様もかなり嫌がっているね。


「あぁ……その髪があれば、これから産まれてくるデメテル様の初孫の人形をよりリアルに作れるというのに……」


「初孫……?」


 え?

 お母様が食いついた!?

 そんなに孫を楽しみにしているの?


「あぁ……もし、その髪があればわたしの仕事への意欲が湧きゼウス様に回す量が減るかもしれないというのに……そうなればまた、姉弟水入らずの旅行を楽しむ時間ができるかもしれないというのに……」


「旅行……? あぁ……ヘスティアとヘラとゼウスと行ったグンマの温泉は最高だったわ」


 お母様が、さらに食いついた!?

 ウリエルのこのやり方……

 誰かに似ているような……?

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