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皆が幸せってこういう事なの?

「ヘスティア様から紹介されたあの魔族は、なかなかの美丈夫でした。ハデス様とペルセポネ様の『愛の島』を創ると話したら最高級の家具を……」


 ウリエル……?

 何を言っているの?


「はぁ!? ちょっと待って!? ヘスティアがベリス王を紹介したの!? しかもベリス王が美丈夫って……まぁ、確かに容姿は整っているよね……」


「天族には金貨という物がないと話すと『この紙をハデス様に渡せば全て解決する』と言われました」


「……ベリス王め。次から次にハデスから金貨を搾り取る作戦を考えてくるね」


 ハデスは、いつもベリス王に簡単に騙されるけど今回は自分がいないところで勝手に話を進められたからさすがに怒るよね?

 

「そうか……ベリス王とウリエルは、わたしとペルセポネの為に島を用意してくれたのか」


 ……!?

 ハデスが簡単に騙されている!?

 ウリエルは幼女、ベリス王は金貨が欲しいだけなのに。

 絶対にハデスとわたしの為なんかじゃないんだよ。

 ハデスは純粋過ぎて心配になっちゃうね。


「あらあら、ふふふ。ペルセポネはそんな顔をしないのよ。かわいい顔が台無しよ?」


 ヘスティアが笑いながら話しかけてきた!?


「だって、純粋なハデスを皆で騙すから! って、ヘスティアがベリス王を紹介したの? どうして?」


「ウリエルが、ハデスとペルセポネの為に島を贈りたいと話してくれてね。かわいい弟と姪の為にわたしも協力したくなったの。ふふ」


「『ふふ』じゃないよ。ウリエルを紹介する代わりに何かもらったんでしょう!?」


「あら、よく分かったわね。ふふ。お礼にって珍しい宝石で作ったネックレスと髪飾りをもらったの」


「やっぱり! そんな事だろうと思ったよ!」


「あら、でも皆が喜んでいると思わない?」


「……え?」


「ウリエルは幼女誕生に近づくし、ベリス王はかなりの儲けが出たはずよ。ハデスはペルセポネと誰にも邪魔されずに仲良く過ごせる島を手に入れたし、わたしも宝石をもらえたわ」


「でも、ハデスはまたベリス王に金貨を取られて……」


 今までだって何度も搾り取られているのに……


「ペルセポネ大丈夫だ。また金山を見つけたのだ」


 ハデス!?

 また金山を見つけたって……


「また見つかったの!?」


 吉田のおじいちゃんが、ハデスに見つかる場所にまた金山を創ったんだね。


「実はわたしもペルセポネと二人だけの島が欲しいと思っていたのだ」


 ハデスが嬉しそうに微笑んでいる……?

 あぁ……

 こんな顔をされたらこれ以上何も言えないよ。


「ハデス……そうだね。わたしもハデスと過ごせる島ができて嬉しいよ」


 ヘスティアの言う通りだ。

 皆が喜んでいるんだから、これ以上は怒ったらダメだよ。


 でも、ベリス王は一体いくら請求してきたんだろう。

 うわ……

 ハデスが持っている請求書にゼロがいっぱい書いてあるよ。


「……? ペルセポネ? ああ、請求額が気になるのか?」


 ハデスは全然気にならないみたいだね。

 

「……うん。どれくらいかかったの?」


「そうだな。金貨千枚……か」


 ……!?

 金貨千枚!?

 金貨一枚が十万円くらいだから……

 うわ……

 かなりぼったくられているんじゃないの!?

 でも、まだ家具を見ていないから……

 本当に最高級品かもしれないし……

 そうだ!

 家を建ててくれたのかも。

 でも、さっき家具って話していたし……

 ベリス王が家を建てるのならもっとぼったくるはずだよね?

 でも、でも……


 あぁ……

 色々考え過ぎて混乱してきたよ。

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