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やたら勘が良い人っているよね

「ええ!? これって大丈夫かしら……このままどこまでも背が伸び続けたりしないわよね?」


 お母様が青ざめた顔でわたしを見つめている。

 そんな瞳で見つめられたら怖くて仕方ないよ。

 巨大化して家に入れなくなったらどうしよう……



「やれやれ……騒がしいと思ったら……」


「ぺるぺるは、まずい事になったなぁ」


 おばあちゃんと吉田のおじいちゃんが天族の姿で呆れた顔をしながら立っている?

 もしかして心配して来てくれたのかな……


 でも今『まずい事になった』って、おじいちゃんが言わなかった?

 まさかわたし……

 本当に巨大化しちゃうんじゃないよね?

 一滴でいいのに丸ごと注入しちゃったから……


「吉田のおじいちゃん……まさか宮殿に入れないくらい大きくなっちゃうの?」


 そうなったらどうしよう……


「んん? ぷはっ! そんな事はねぇけどなぁ……って言うよりは、一滴使うとか効能とかは天ちゃんが勝手に書いた事だからなぁ」


 吉田のおじいちゃんは楽しそうだね。


「でもウリエルは実験していたみたいだよ? ちゃんと説明書き通りの効果が出たって」


「そうみてぇだなぁ。天ちゃんはバカみてぇに勘が良いからなぁ」


 勘が良いとかいうレベルじゃないよね?


「じゃあ、やっぱり巨大化しちゃうんだ……ただでさえ小さいベリアルが豆粒みたいに小さくなって、吸いついた時に間違えて鼻に入ったらどうしよう……そのまま気管に入って肺に入って……そうなったらベリアルはわたしの一部になるんだね。ぐふふ」


「ぺるぺるはどんな時でも変態さんだなぁ。しかも『肺に入って』なんてオヤジギャグまで入れ込むとは……」


 吉田のおじいちゃんがニヤニヤ笑っている?

 オヤジギャグって……?

 肺に入って……?

 肺に入っ……


「……!? うわ……そんなつもりは無かったのに。恥ずかしいよ……」


「さて、冗談はこれくれぇにして……ぺるぺるの身体がどんどん成長しちまってるなぁ。皮膚が急に伸びていてぇだろ?」


「うん……関節もギシギシしているよ」


「巨大化はしねぇけどなぁ……成長はしてるなぁ。さすがにいきなり成長し過ぎは良くねぇなぁ。身体への負担が心配だ」


「わたし……どうなっちゃうの?」


「うーん……しばらくは関節やら皮膚やらが痛くて眠れねぇだろうなぁ」


「そんな……困るよ。明後日からは冥界の仕事をしないといけないのに」


「じゃあ、この辺りで成長を止めるか。とりあえず鼻をかんでみろ」


「鼻を? うん……」


 鼻の中からうどんみたいな物の蜜を出せば成長が止まるのかな?

 でも不思議だね。

 蜜を鼻に注入したら背が伸びるなんて。

 栄養価が高い蜜のはずなのにどうして背や髪が伸びたりしているんだろう?

 まさか、栄養が足りないから止まっていた成長がこのうどんみたいな木の実の蜜の力で動き出したとか?

 そんなにすごい物がどうして執務室の奥の部屋に落ちているんだろう。

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