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用法用量は正しく使いましょう

 何かを持ち出すといつの間にか補充されているってウリエルが言っていたけど……

 じゃあ、補充していたのはお父様とお母様だったんだね。


「それはウリエルが持ち出していたからだよ……」


「あら、そうだったのね」


 お母様はウリエルが勝手に持ち出していた事に怒らないんだね。

 

「でも、変な物の使い方を書いた書物があるってウリエルが言っていたけど……」


「ああ、それはゼウスが書いているのよ。『これはこんな形だからこんな効能かもしれない』なんて言いながらね。楽しそうだから好きにさせていたんだけど……確かこれは鼻に入れると身体が丈夫になると書いていた物よね。まさか……こんな得体の知れない物を鼻に入れたりしていないわよね?」


「え……? 適当に書かれた物だったの? じゃあ、滋養強壮の薬じゃないって事? 鼻に注入しちゃったよ……」


 ウリエルは大丈夫って言っていたけどずっと『たぶん』ってつけていたよね?

 信じたわたしも悪かったけど、何か分からない物を鼻に注入しちゃった……

 これって本当に大丈夫なの?


「大丈夫です。すでに実験は済んでいます。量は今よりも少なかったですが……」 


 ウリエル!?

 まさか髪が生える果物だけじゃなくて、このうどんみたいな木の実でも実験していたの!?

 その被験者は生きているんだよね!?


「実験って……ウリエル……あなた、一体誰で実験しているの?」


 お母様の言う通りだよ。

 生きているんだよね?

 まさかもう……死……


「……それは……え? ペルセポネ様……?」


 ん?

 ウリエルがわたしを見つめて驚いている?


「ペルセポネ……? 背が伸びたんじゃない? 顔色もすごく良いわよ?」


 お母様?

 わたしの背が伸びたって……?

 あれ?

 言われてみれば、確かにドレスの裾が短くなったような……


「自分じゃ見えないからよく分からないけどドレスが少しきついかも……天界のドレスだから緩いはずなのに……」


「……待って!? 今も背が伸び続けているわよ!?」


 お母様がすごく慌てている?

 なんだか皮膚が引っ張られる感じがするよ。

 腰までだった髪も床につきそうなくらい伸びている。


「うぅ……関節が痛いよ……」


「ウリエル!? まさか一本丸ごと注入していないわよね!? ゼウスは一滴でいいと書いていたわよ?」


 ええ!?

 一滴でいいの!?

 お父様が適当に考えた説明書きらしいけど……

 ウリエルが実験した相手には説明書き通りの効果が出たんだよね?


「……一本、丸ごといきました」


 ……!?

 ウリエル!?

 やたら量が多いと思ったら一本丸ごと注入していたの!?

 

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