不思議な部屋の不思議な物?
「ぷっ! それで、滋養強壮の白い物を……ぷふっ……鼻に入れていたのね……」
ヘスティアが笑うのを我慢しながら話しかけてきた……?
ん?
ウリエルがハデスにだけティーカップを用意している。
最近仲良くなったみたいだから、それでかな。
うぅ……
鼻が痛いよぉ……
「もう! 笑わないでよぉ。痛くて気持ち悪いんだからぁ……」
確かに鼻からうどんが出ていたら笑っちゃうけど……
鼻から抜いたのにまだ痛いよ。
「ふふ。へぇ……こんな物は初めて見たわね」
「かなり珍しい物らしいよ?」
「ふぅん……珍しい物ばかりがある秘密の部屋がこの神殿にあるなんて……毎日出入りしているのに全く気づかなかったわ」
「お父様もお母様も知らないのかな?」
「うーん。どうかしら……そういえば、かなり前に『ゼウスの収集癖に困っている』みたいな事をデメテルが言っていたわね。これの事だったのかしら。それにしても聞けば聞くほど不思議な部屋ね。ねぇ、今から行ってみない?」
「え? 確かに見てみたいけど……」
「って……ペルセポネ……鼻血が出ているわよ? かなり強い薬だったようね。ぷふっ……」
また、ヘスティアが吹き出した!?
うわ……
本当に鼻血が出ているよ。
「うぅ……恥ずかしい……」
鼻からうどんみたいな物を出したうえに鼻血まで……
ハデスに呆れられちゃうよ。
「大丈夫か? 鼻に詰め物をしよう」
ハデスがハンカチを裂いている?
まさかそれを鼻に詰めるの!?
「ハデス!? 詰め物なんて恥ずかしいよ。押さえていれば止まるから……」
これ以上恥ずかしい姿を見せられないよ。
「ぷふっ……月のものじゃなくて鼻血が出るなんて……やっぱりペルセポネは最高ね」
ヘスティアが笑うのを我慢できなくて、また吹き出した!?
我慢し過ぎて身体が震えているよ……
「もう! ヘスティアったら!」
絶対に褒め言葉じゃないよね。
「あら? 皆来ていたのね。あらあら、ペルセポネは大丈夫? 鼻血が出たのかしら?」
お母様が奥の部屋から戻ってきたね。
ウリエルの悪事を全部話してやるんだから!
「お母様……うぅ……ウリエルが無理矢理鼻に変な物を入れてきたんだよぉ」
わたしの事はバカにしているけど、お母様に叱ってもらえば少しは反省するよね?
「変な物を? あら? どうしてこれが執務室に? ゼウスが持ってきたのかしら」
「え? このうどんみたいなやつの事を知っているの?」
「ええ。それが……奥にある寝室に時々落ちているのよ」
「……え? それってどういう事?」
「お母様にも分からないの。ゼウスがこれを見つけると喜んでね……仕方ないから使わない部屋にまとめて置いてあるのよ。でも不思議な事に寝室で見つかった物をその部屋に持っていくと、部屋にあったはずの同じ物が無くなっているの」
それって、さっきウリエルが話していた事と同じだよね?




