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誰か……ウリエルの暴走をとめて

「ささ、早く吸ってください! ツルツルっといってくださいっ!」


 ウリエルは、何が何でもこのうどんみたいな中に入っている蜜を鼻から吸わせたいみたいだね。

 こんなの痛いから絶対に無理だよ。


「嫌ったら嫌だよ!」


「早くしないとデメテル様が戻ってきます」


「こんな、どこから出てきたか分からない蜜なんて鼻から吸いたくないよ!」


「貴重な物なのですよ? たぶん……」


「ほら、また『たぶん』って言った! 絶対に嫌!」


「まったく……仕方ありませんね。これも幼女誕生の為です」


「……え? 何が?」


「ああっ! ベリアルが、いかがわしいドレスを着てこちらを見ているっ!」


「ええ!? ベリアルが!? どこどこ!?」


 絶対に見逃せないよっ!

 って……

 うどんみたいな木の実を鼻に入れられた!?


「ふふふ。油断しましたね……」


 まさか嘘をついたの!?

 

「……!? ウリエル……こんな事をして無事で済むとでも思っているの? わたしは神様の娘で冥王の妻なんだよ」


 普段は絶対にお父様とハデスの権力に頼らないけど……

 今だけは使わせてもらうよ。

 セクシードレスのベリアルがいるなんていう嘘は絶対に赦せない!

 わたしのワクワクを返してよ!

 

「全ては愛らしい幼女誕生の為です」


「……こんな意味の分からない蜜なんて絶対に吸い込まないからね」


「ふふふ。この木の実は柔らかいので端を押せば中身が反対の端から出てくるのですよ」


「……!? ウリエル……本当に変な蜜じゃないんだよね!?」


「安心してください。あの書物には安全な物だと書いてありました」


「その書物は信頼できるものなんだろうね!?」


「さあ……身体の力を抜いてください。ゆっくり注入しますからね。安全ですから……たぶん」


「また『たぶん』って言ったっ!」



「何をしているのだ!」


 え?

 この声は……

 ハデス!?

 いきなり扉が開いたから驚いたよ。

 あれ?

 ヘスティアもいる?

 帰ったんじゃなかったんだね。


「ハデス? どうして怒っているの?」


 あ……

 鼻にうどんみたいな木の実を入れられているんだった。

 恥ずかしい……


「……? ペルセポネ? その鼻の白い物は……?」


「うわあぁ! これは違うのっ! ウリエルがいきなり入れてきて……恥ずかしいから見ないでよぉ!」


「あらあら。うふふ。浮気じゃなかったわね。ハデス?」


 ん?

 ヘスティア?

 浮気って?


「ペルセポネ様とわたしが浮気など絶対にあり得ません。わたしは幼女しか愛せないのですから。……はい。注入終わりです」


 ウリエル……!?

 ついに幼女しか愛せないって白状したね。

 ……ん?

 注入終わりって……

 ……!?

 うぐっ!

 痛いっ! 

 しかも鼻の奥がドロドロして気持ち悪いよ……


「ちょっと!? うわ……ものすごく気持ち悪い……鼻をかみたいよ……」


「いけません! 我慢です! 全ては幼女の為ですっ!」


「そんなの知らないよっ! うわあぁぁん! ハデス助けてっ!」


「ぷっ! あはは! 本当にペルセポネといると笑いが絶えないわね」


 ヘスティアが嬉しそうに笑っている!?

 

「何もおもしろくなぁぁあい!」


「あはは! まだ鼻に白い物が入っているわよ……あははは!」


「もうっ! 笑わないでよぉ!」


 ヘスティアはお腹を抱えて笑っているし、ハデスは状況が分からずにわたしを見つめたまま固まっている。

 

 うぅ……

 本当にこんなのが滋養強壮の薬なの?

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