表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1202/1484

ウリエルは相変わらず幼女好きなんだね

 ヘスティアと別れると勇気を出してお父様の執務室の扉をノックする。


 これ以上ハデスとの事を言いふらされる前に口封じ……じゃなくて、誰にも話さないように口止めしないと。


「はい……どなた?」


 お母様の声だね。


「わたしだよ。ペルセポネだよ」


 お母様もハデスとの事を知っているんだよね。

 あぁ……

 気まずいよ。


「ふふ。ペルセポネ、今日は天界で眠ってくれるのね」


 ご機嫌で扉を開けてくれたけど……

 ものすごく嬉しそうな顔をしているね。


「えっと……お母様……」


「あらあら、真っ赤な顔をして……ふふ。おめでとう」


「うぅ……恥ずかしいよ。お父様は? 第三地区の皆にハデスとの事を言いふらしたんだよ? 赤飯まで炊かれて恥ずかしかったんだから」


「……? セキハン? ああ、赤いご飯の事だったかしら? 確か前に食べさせてもらった事があったわね」


「お祝いの時に食べるの。恥ずかし過ぎて味がしなかったよ」


「ふふ。そうだったのね。でも……本当におめでとう。ペルセポネもすっかりお姉さんになって……なんだか少し寂しくもあるわね」


「お母様……あ、そうだ。おばあちゃんがね……」


 まだ、わたしのお腹には赤ちゃんがいない事を話さないと。

 お母様は孫を楽しみにしているみたいだし。


「あ! ペルセポネ様っ!」


 ん? 

 この声は……

 誰だっけ?


「って……ウリエル!?」


 いつの間にか背後に立っている!?

 全然気配を感じなかった……

 うわ……

 満面の笑みだ……

 それに、声が違って分からなかったよ。

 すごく嬉しそうな声だ……

 いつもは『世の中、常につまらない』みたいな態度なのに。

 あ……

 ウリエルが笑顔の時は幼女が関係しているんだよね。

 まさか……

 お父様はウリエルにまでハデスとの事を話したんじゃないよね?


「ペルセポネ様……ご懐妊おめでとうございますっ!」


 ……?

 誤解人おめでとうございます?

 誤解人ってなんだろう。


「えっと……ウリエル? 誤解人って……?」


「ついに幼女が……デメテル様やペルセポネ様に似た幼女が誕生するのですね!」


 うわ……

 ウリエルがキラキラの笑顔で喜んでいるね。

 なるほど、そっちの懐妊か。

 

「あの……その事なんだけど」


 ちゃんと話さないとね。


「はい! 何でしょう?」


 あぁ……

 ご機嫌のウリエルを見ていると話しにくいよ。

 

「えっと……わたしはまだ妊娠していないの。と言うよりはまだ妊娠できない身体みたいで」


「ええ!? それは一体!?」


 ウリエルがかなり興奮している。

 よほど、お母様とわたしに似た赤ちゃんが欲しいんだね。


「ペルセポネ……それはどういう事なの?」


 お母様も心配そうにしているよ。


「数千年前……ファルズフに飲まされ続けた毒は、かなり強かったらしいの。そのせいでまだ……その……月のものが一度もきていないの」


「ファルズフの毒……? ファルズフめ……余計な事を……」


 ご機嫌だったウリエルの顔が険しくなっている……

 分かってはいたけど、そんなに幼女が好きなんだね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ