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ヘスティアとペルセポネ(4)

「ペルセポネ……」


 ヘスティアが真剣な顔になった……?


「うん?」


「あなたが長い時を経て幸せの島に現れてから……わたしは変わったわ」


「え?」


「わたし……あんな風に声を出して笑うなんて初めてだったの」


「あ……あの時もわたしがお父様に似ているって言って笑ったんだよね」


 ヘスティアが声を出して笑う姿を見た時は驚いたよ。

 お母様もかなり驚いていたよね。


「ふふ。わたしの凍りついた心を穏やかに照らしてくれてありがとう」


「わたしはそんな事はしていないけど……」


「無意識なのは分かっているわ。でもお礼を言いたかったの。前に進む為にね」


「ヘスティア……?」


「わたしも恋をしてみようかしら」


「うわあぁ! 素敵だよ! ヘスティアが好きになる相手ってどんな感じなのかな?」


「ふふ。そうねぇ……筋肉魚バカ……? それとも……容姿端麗バカ……?」


「……それってポセイドンとお父様の事じゃないよね?」


「え? ……ぷっ。あはは! 嫌ね……わたしの周りにはバカしかいないのかしら。理想が低過ぎるわね」


「真面目が一番だよ」


「ふふ。ハデスみたいに?」


「えへへ。うん。時々暗殺とかはしちゃうけど大好きなんだ」


「ふふ。素敵ね。わたしも、いつかそんな恋をしてみたいわ」


「ヘスティア……?」


「ん……? 何かしら?」


「……うん。あのね……ありがとう」


「……え?」


「お父様とお母様とハデスを守ってくれてありがとう。ヘラとポセイドンを守ってくれてありがとう」


「……! ペルセポネ……」


 ヘスティアが驚いた顔をしているね。

 変な事を言っちゃったかな?


「わたしは遥か昔天界で何があったのか分からないけど……悪い大天使がいっぱいいて大変だったのは聞いているの。そんな悪い奴らを相手にわたしの大切な家族を守ってくれて本当にありがとう」


「……ペルセポネ」


「それと……」


「それと?」


「うん……上手く言えないんだけどね」


「……話してみて?」


「うん……あのね……わたしが上位精霊に『わたし達が世界を見守るからこれからは自分の好きな事をして過ごして欲しい』って話したの。そうしたら『自分達はこの世界をこれからも見守り続けたい』って言ってくれたの」


「……そうなのね」


「手のかかるお父様だけど……これからもよろしくお願いします」


「……え?」


「それから、わたしも手がかかるけど……よろしくお願いします」


「……! ふふ……あはは! ペルセポネのそういうところ……大好きよ」


「呆れちゃった? まだヘスティアに頼るなんて……」


「いいえ。嬉しいわ。ふふ。ありがとう」


「……え?」


「わたしも上位精霊と同じね。大切な家族をこれからもずっと見守り続けるわ。もちろんペルセポネもその中の一人よ」


「……! えへへ。嬉しい……」


「もう……ペルセポネはどうしてこんなにかわいいのかしら。大好きよ」


「わたしもヘスティアの事が大好きだよ」


 ヘスティアが優しく抱きしめてくれたけど……

 柔らかくて温かくて気持ちいいよ。

 いい匂い……

 甘くて優しいヘスティアの匂い。

 わたしもこんな素敵な大人になりたいな。

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