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冥界でのわたしは、どんな感じになるのかな?

「今はケルベロスが冥界の仕事をしてるから、天族が調子に乗ってるんだろうなぁ。確かにハデスちゃんがリゾート地計画を知れば天族が何人か……いや、何十人か死ぬ事になるだろうなぁ」 


 おばあちゃんの言う通りだね。


「ハデスが相手だったら『冥界をリゾート地に』なんてバカみたいな事は言えないはずだよ。わたしも、ハデスが知ったら何をするか分からないから秘密にしているの」


「だろうなぁ。でも……天族はぺるみにも、同じ事を言うかもしれねぇぞ。大丈夫か?」


「うん! 『冥界には恐ろしい女王がいる』って言われるくらい震え上がらせてあげるよ!」


 わたしは冥王ハデスの妻なんだから怖がられるくらいでちょうどいいんだ。


「あはは! その意気だ!」


「ふふふ。黒いドレスも作ったし、天界の人間関係……天族だから天族関係か……それも勉強したし、絶対に上手くやってみせるよ!」


 お兄様だっていきなり王様になったけど頑張っているんだから、わたしも頑張らないとね。


「そうか、そうか。張り切り過ぎて、空回りしねぇようになぁ。あと、頭に血が上っていきなり攻撃したらダメだぞ」


「あはは。大丈夫だよ」


「……そうか? ぺるみは時々突っ走るからなぁ。気をつけるんだぞ」


「うん。分からない事はケルベロスに教わりながら恐ろしい女王になってみせるよ」

 

「ぺるみ……恐ろしい女王になる必要はねぇんだぞ。ハデスちゃんが怖がられてるからってぺるみまで怖がられねぇとダメな事はねぇんだ」


「ん? でも、変な事を言ってくる連中には怖がられておいた方がいいでしょう? 目が合っただけで震え上がらせないと!」


「……やっぱり、ばあちゃんは心配だ。すっかりハデスちゃんみてぇになっちまったなぁ。はぁ……明後日からどうなるんだか。とりあえず天界からの使者を生きて帰してくれ……」


 おばあちゃんが困った顔をしているね。

 どうしたんだろう。

 でも……

 立派な冥界の女王……か。

 冥王はハデスだからわたしは王妃なんだよね?

 だったら『女王』は違うかな?

 うーん。

 冥界の王妃よりは冥界の女王の方が強そうだよね?

 それとも冥界の女帝?

 でも、やっぱりハデスが冥界の王様だから『女帝』は変かな。

 うーん……


「ぺるみ……呼ばれ方なんてどうでもいいから、ちゃんと仕事をするんだぞ?」


 おばあちゃんはわたしの心の声を聞いたんだね。

 確かにその通りだよね。

 まずは仕事を頑張らないと。


「うん! 頑張るよっ! 二つ名は仕事に慣れてきたら考えようっ!」


「……本当に大丈夫か? あぁ……さらに心配になってきた……それに二つ名は自分で決めるもんなんか? 普通は他人が考えるんじゃ……」


「あ、そうだ! 印籠でも作ろうかな? 吉田のおじいちゃんに作り方を教えてもらおうっ!」


 この前、印籠を夜なべして作ったって言っていたよね。


「ぺるみ……群馬で時代劇を観たせいか……天族に印籠を見せても何が何だか分かんねぇだろ?」


「あ! やっぱり腰に刀を差そうかな。その方が強そうだよね?」


 何だかワクワクしてきたよっ!


「ぺるみっ! とりあえず落ち着け! 全く……誰に似たんだか……考えるまでもねぇか。晴太郎はれたろうと天ちゃんにそっくりだ……」


 ん?

 わたしが、吉田のおじいちゃんとお父様にそっくり?

 すぐに裸踊りをする吉田のおじいちゃんと、女好きで火干しされるお父様に!?

 絶対にあり得ないよっ!

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