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ベリアルグッズは全部欲しくなっちゃうよね

 ヒヨコちゃんのくちばしの入り口を通って店内に入ると……

 これが、ベリス親子のお店かぁ。


 ベリス王の落ち着いた雰囲気のお店とは違って、すごくかわいいね。

 淡いピンクと白の壁紙に、家具は全部真っ白だ。

 

 あ、棚の上に香水の小瓶を抱えているヒヨコちゃんのぬいぐるみがあるね。

 小瓶もヒヨコちゃんの形をしている。

 わたしが考えた物をあっという間に形にしたんだね。

 さすが商売上手のベリス親子だよ。


 かわいいリボンに、いろんな大きさのヒヨコちゃんのぬいぐるみ。

 うわあぁ!

 ベリアルの寝癖風カチューシャもあるよ!


 ん?

 ドレスや騎士の小さい服?

 これは、ヒヨコちゃんのぬいぐるみが着る服かな?

 小さくてかわいいなぁ。

 ずっと見ていられるよ。

 

 あれ?

 これは……ガラス細工のヒヨコちゃん?

 売約済みって札があるけど……

 もしかしてハデスがわたしの為に予約してくれた物かな?

 

 かわいいなぁ。

 つぶらな瞳がキラキラ輝いているよ。

 このガラス細工が幸せの島のわたしの部屋に来るんだね。

 くうぅ!

 超絶幸せだよっ!

 どこに飾ろうかな。


「おーい! ぺるみ、早く来いよ。皆待ってるぞ!」


 ベリアルがお店の奥から呼んでいるね。


 あっちがカフェなんだね。

 甘い匂いがするよ。


「うわあぁ! かわいいっ!」


 カフェは水色の壁紙で、まるで空にいるみたいだ。

 テーブルは白くて雲の形をしていてすごくかわいい。

 椅子の背もたれはヒヨコちゃんの形になっているよ。

 

 テーブルに置かれたティーポットからする甘い匂い……

 この匂いは……

 ピーチティーかな?

 これから出てくる桃のケーキも第三地区のタダの桃を使っているんだよね。

 今回のお別れ会はベリス王が支払ってくれるらしいけど……

 本当にタダなんだよね?

 あとになって『やっぱり有料で』なんて言われないよね?


「ペリドット様! すごいですね! すごくかわいいお店です!」


 前の席のジャックがかなり興奮しているよ。

 ……今は支払いの事は忘れよう。


「うん! かわい過ぎて時が経つのを忘れちゃうよね」


「はいっ! あぁ……いつかお金を貯めてヒヨコ様のぬいぐるみの為に服を買ってあげたいんです」


「うわあぁ! 素敵だね。どんな服を買うの?」


「それが……季節限定の服や、イベント限定の服が出るらしくて。だから『これだ! 』って思う物が出るのを待つつもりです」


「ええ!? 限定の服!?」


 なるほど。

 これがベリアルのぬいぐるみを飽きさせない方法か。

 よく思いついたね。

 さすがベリス親子だよ。

 次々売り出される新作の服……

 全部欲しいっ!


「頑張ってプリン屋を成功させて必ず買いに来ます」


「うん! ジャックとリリーちゃんなら絶対に大成功だよ!」


「はい! あ! モモのケーキが来ましたよ。……!? まさか……そんな……うわあぁ!」


 ジャックが嬉しそうに瞳をキラキラ輝かせているね。

 どうかしたのかな?

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