ベリス親子のお店は最高だ!
魔術科の皆にお別れの挨拶をすると、空間移動でベリス親子のお店に向かう。
噂には聞いていたけど……
これがヒヨコちゃんグッズを唯一販売できる場所か。
一目見れば分かるよ。
だってヒヨコちゃんの形をしているんだからっ!
何なの!?
ドーム型の淡い黄色のヒヨコちゃんの巨大な頭に、つぶらな瞳。
ツインテールの寝癖までついているよ。
しかもヒヨコちゃんの開いたクチバシを通る入り口なんて……
「ぐふふ。堪らないね」
「……だろうな」
ん?
ベリアルが軽蔑のつぶらな瞳でわたしを見つめている?
「ベリアル? どうかしたの?」
「『どうかしたの』じゃない。お前……よだれが垂れてるぞ」
「え!?」
うわ……
本当だ。
興奮し過ぎて分からなかったよ。
「その、にやけ顔をやめろ! お前は何を想像してたんだ? この変態め!」
「そんなの決まっているでしょ!? この巨大なヒヨコちゃんを隅々まで舐め回すように見つめてから、愛らしいクチバシの中をじっくり……」
「もういいっ! この変態め!」
「ええっ!? 最後まで言わせてよ! 訊いてきたのはベリアルでしょう!?」
「嫌だ! どうせ、ぺるみの事だから変態な事しか言わないだろ!?」
「うぅ……」
確かにその通りだけど、ベリアルへの愛を語りたいんだよ。
「よし! もう中に入るぞ! 変態の相手は疲れるんだ!」
「はぁい……うぅ……もう少し見ていたかったよ。巨大なヒヨコちゃんをじっくり……」
「全く! いつでも本物が見れるだろ!」
……!?
それって……
いつでも、ベリアルを舐めるように見つめてもいいっていう意味?
それに、この言い方……
嫉妬?
巨大なヒヨコちゃんの建物に嫉妬したの?
くうぅ!
かわいいっ!
「ぐふふ。そうだね。いつでも本物のベリアルが見られるよね。まさか……このヒヨコちゃんの建物に嫉妬したの? くうぅ! 堪らないねっ! ハァハァ……」
「……!? 違あぁぁぁぁあう! 絶対に違あぁぁぁぁあうっ! ハァハァするなっ!」
「んもう。素直じゃないんだから。慌てちゃってかわいいね。ぐふふ」
「……こいつは本物の変態だ。いいか? スーたんは、こんな風になったらダメだぞ?」
ベリアル!?
なんて酷い事を……
でも、わたしに向けられる軽蔑のつぶらな瞳が気持ちいい……
ぐふふ。
堪らないね。
「んん? スーたんよく分からないよぉ。でもメリアルお兄たんが言うならそうするねっ」
スーたん……
もうひとつの人格……魔格? をしっかり演じているよ。
「あははっ! スーたんは、かわいいなぁ」
本当にベリアルは簡単だね。
すっかり騙されているよ。




