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学術科の男の子達は別人みたいに変わったね

「ぐふふ。かわいい……ぐふふ。かわいい」


 前の席のジャックが、スーたんを抱っこして頬擦りしながらグフグフ言っているね。

 ベリアルは先生に吸いつかれているよ。

 

「ゴンザレス様ぁ……オレはずっとゴンザレス様推しだったんですよぉ」


 ゴンザレスは一番前の席のジャックに、こねくり回されている。

 今日でお別れだから、ベリアル達のかわいさをじっくり堪能しているみたいだ。

 明日の『四大国のアカデミー魔術科対抗魔術戦』ではもう話す時間もないだろうし……


「本日のアカデミーは成績表を配って終わりですから……スーハー……皆さん自由に過ごしてください。スーハー……わたくしはヒヨコ様を堪能させていただきますっ!」


 先生はずっとベリアルを吸っているね。

 イフリート王子は男の子達と水遊びに行ったし、ベリス王子は女の子達とおとなしい男の子達に化粧品をプレゼントしている。

 次期種族王だけど、人間と仲良くなっているなんて不思議だね。


 さっきの休み時間にはココちゃんとアンジェリカちゃんがお別れの挨拶に来てくれたんだ。

 レオンハルトは、プルメリア王妃を討つ日が決まって今は大忙しでアカデミーには来ていないんだって。

 その話をした時のアンジェリカちゃんの心配そうな顔……

 もしかしてアンジェリカちゃんはレオンハルトの事を……?

 そういえば二人は恋が叶うプリンアラモードを一緒に食べていたんだっけ。

 

 そんなこんなで今学期のアカデミーが終了した。

 今からクラスの皆と、ベリス親子のカフェに徒歩で向かうんだけど……

 その前に、わたしと王子達は学術科と魔術科にお別れの挨拶に行く事にしたんだ。


「これでアカデミーも終わりなんだね。あっという間だったなぁ。王子達……アカデミーに付き合ってくれてありがとう」


 本当に感謝しかないよ。


「ははは。いやぁ。人間相手に良い商売をさせてもらいましたよ」


 ベリス王子は学術科の男の子達を相手にかなり儲けたみたいだからね。

 毎日、女の子にモテる方法の特別講義を手伝わされて大変だったよ。

 でも男の子達は日に日に爽やかになっていったよね。

 初めて会った時とは別人だよ。

 女の子と目も合わせられなかったのに今ではちゃんとエスコートできるようになったからね。


「あ、先生っ!」

「先生っ!」


 学術科の男の子達がベリス王子を見つけて駆け寄ってきたね。


「ははは。皆さん、今日も素敵ですね。新しい化粧水はどうですか?」


 ベリス王子……

 いつの間にか化粧水まで売りつけていたんだね。


「はい! 最高です」

「先生……今日でお別れなんて寂しいです」

「店舗に行けば会えますか?」

「先生……悲しくて涙が出てきます」


 学術科の男の子達はベリス王子を『先生』って呼んでいるんだよね。

 心から王子の事を尊敬しているんだ。

 初めて会った時はあんなに妬んでいたのに……


「ははは。いつでも店舗に来てください。アカデミーは辞めますが店舗には、いますから」


 まだまだ色々な物を売りつけるつもりだね。

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