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世界一かわいいチビモフたん?(4)

(えへへ。オレ、族長みたいな立派な『見守る者』になりたいんです)


 なれるよ!

 ゴンザレスなら絶対になれるよ!


(……! ぺるみ様……誰かに信頼してもらえるって嬉しいですね)


 うん。

 分かるよ。

 わたしも無人島で皆に信じてもらえて嬉しかったから。 


(オレもぺるみ様も、こうやって少しずつ立派な『見守る者』になっていくんですね)


 そうだね。

 これからもよろしくね。


(はい! こちらこそ!)


 ふふ。

 ゴンザレスがいてくれて心強いよ。


(オレもぺるみ様がいてくれて心強いです)


「よし! 決めた!」


 ん?

 ベリアルがチビモフたんを見ながら何かを決めたみたいだけど……

 もしかして名前が決まったのかな?


「うわあぁ! メリアルお兄たん。楽しみだなぁ。どんな名かなぁ?」


 チビモフたんが、作られたかわいさでベリアルに尋ねているよ。


「スノークッキーって知ってるか? 甘い匂いがして真ん丸で真っ白い粉がかかってかわいいんだ! 真っ白でフワフワの『一番小さいモフたん族』にピッタリだろ? だから『スノーちゃん』! どうだ?」


「スノーちゃん? スノーたん。スーたん……」


 ん?

 チビモフたんは自らかわいい呼び方に変えようとしているね。


「……気に入らないか?」


 ベリアルが悲しい顔になったね。


「違うよ。えへへ。スーたん、うれちいの」


 ……!?

 早速一人称を『スーたん』にして、本当は普通に話せるのに赤ちゃん風に話している!?

 なかなか、やるね。

 

「うれちい!? くぅぅ! かわいいよぉっ!」


 ベリアルがスーたんに抱きついたね。

 誰が見ても偽りの従順さなのに……

 ベリアルは本当に簡単だよ。


(あはは! いいじゃないですか。スーたんもベリアルが考えた名を気に入ったみたいだし)


 ゴンザレス……

 本当に従魔にはならないんだよね?


(大丈夫ですよ。オレもベリアルに名づけられたけど受け入れていないから従魔にはなっていませんし)


 確かに、そうだね。


(魔族はその辺は上手くやれるから大丈夫ですよ)


 でも、モフたんは簡単にわたしの従魔になっちゃったよね?


(それは『あの子』だったぺるみ様に再会できて嬉しかったからですよ。それに、スーたんはちゃっかりしているから心配いらないです)


 そうだね。

 どう見てもベリアルよりしっかりしているよ。

 ベリアルはピヨピヨピヨたんだからね。

 簡単なんだよ。


(あはは! 確かに『かわいい弟に振り回されるお兄ちゃん』って感じですよね)


 スーたんに振り回されるヒヨコちゃん……

 堪らないよ。

 想像しただけで興奮してきたよ!


(ぺるみ様もかなり簡単ですね……)


 いいの!

 だってベリアルが超絶かわいいんだもん!


(あはは! 今日は平和に過ごせそうですね)


 うん。

 昨日は色々あったからね。

 今日は午前中はアカデミーで、午後はベリス親子の店舗でお別れ会をするんだよね。

 楽しい思い出をいっぱい作れたらいいなぁ。


(そうですね。……寂しくなりますね)


 うん。

 でも……

 わたし、この二か月人間と過ごした事を絶対に忘れないよ。

 永遠に近い時を生きる天族のわたしから見れば、ほんの一瞬かもしれないけど……

 絶対に忘れない。

 わたしが『見守る者』になろうって決めたのは人間のおかげでもあるんだから。

 ジャック達と知り合えたからしっかり前を向けたの。

 だから……

 ジャック達とお別れするのは寂しいけど……

 わたしは皆の子孫が幸せに暮らせるように見守るよ。

 

(ぺるみ様……はい! オレも見守ります!)


 アカデミーに行かなくなるのは寂しいけど……

 離れていても皆は友達だから。

 ……でも、やっぱり悲しいよ。

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