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あざといチビモフたんと傷心の魔王

(ぺるみ様……ぺるみ様!)


 ん?

 ゴンザレス?

 どうかしたの?


(このチビモフたん……とんでもなく恐ろしいですよ!)


 え?

 あぁ……

 わざと赤ちゃんみたいにしている事かな?


(……! 分かっていたんですか?)

 

 うん。

 だって、どこの傘下にも入っていない魔族には最近生まれた子はいないはずだから。

 第三地区の皆も気づいているはずだよ?


(……ぺるみ様は冷静ですね)

 

 ぐふふ。

 そう見える?

 

(冷静に見えますけど……心はグフグフしていますよね)


 あはは!

 その通りだよ!

 超絶かわいいチビモフたんが、実はあざといなんて……

 堪らないよね。


(あざとい……? なんですか? それ……)


 ん?

 うーん。

 モフたんは自分をかわいく見せる方法を知っているんだよ。

 それに、この第三地区でベリアルは皆から愛されているからね。

 ベリアルに気に入られたらこの島では安泰なんだよ。


(自分をかわいく見せる方法? だから、赤ん坊の振りをしてベリアルを一瞬で虜にできたんですね)


 まぁ、攻撃できる魔力は無いけど魅了の力は少しだけあるみたいだよ。

 あの容姿とあざとさなら、ベリアルくらいは簡単だろうね。


(魅了の力があるんですか?)


 モフたんにも少しだけ魅了の力を感じたけど、それよりは少ないかな。

 これくらいの力なら会った時に一、二秒かわいいと思うくらいだよ。

 まあ、元々かわいいから、それから後もかわいいと思うだろうけどね。


(うーん……そうなんですか。害は無いだろうし……大丈夫なのかな……?)


 あはは!

 問題ないよ。

 ハーピーちゃんも少し前まではそうだったでしょう?

 このあざとかわいい子も慣れてくれば素を出すようになってくるよ。

 今までは同種族だけで暮らしていたから外に出て色々不安なんだと思うし、優しく見守ってあげよう?


(……はい。こういう時に心の声を聞けると、裏の部分とかも同時に知る事になるから恐ろしいです)


 このチビモフたんは、そんなに心の声が怖いの?


(うーん……第三地区で一番かわいいのは自分だとか、甘えん坊の方が受けがいいだろうとか……そんな感じです。まぁ、かわいい心の声ですけど)


 あはは!

 害は無いし大丈夫だよ。

 ベリアルも喜んでいるし、第三地区の皆も甘えられるのが好きだからね。

 

「ぺるみ……あぁ……おはよう」


 お父さんがモフたんを抱っこしながら歩いてきたね。

 でも元気が無いかも。

 どうかしたのかな?


「お父さん……? 疲れちゃった? 色々あったから……」


 心配だよ。

 すごく疲れているみたい。


「え? あ……いや……大丈夫だよ。うぅ……ぺるみぃ……」


 泣き始めた!?

 どうしちゃったの!?


「お父さん……大丈夫?」


「ぺるみが……赤ちゃんだったぺるみが……」


 ……え!?

 まさか……

 ハデスとの事を誰かから聞いたんじゃ!?

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