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ゴンザレスとペルセポネ(3)

 でも、魔族がそれをして何か良い事があるの?


(魔素に満ちた以前の世界に戻したいと考えていたみたいですね)


 そんな……

 どうして?

 他の魔族の皆は、魔素が祓われて喜んでくれていたのに。


(どこにでもいるんですよ。特に何の苦労もしていないのに、生きている事がつまらないとか、皆が不幸になればいいとか……くだらない感情を抱く奴が) 


 それって……?


(世の中を引っ掻き回して『自分が世界を変えた』とか意味の分からない事を考える傲慢な奴……ぺるみ様は魔族は皆、真面目で優しいと思っていますよね? でも実際はそうじゃないんです。オレ達ゲイザー族は心の声を聞けるから分かるんです)


 ……それは分かるよ。

 皆、心の中はグチャグチャしたりドロドロしたりしているものだから。

 それを隠して暮らしているんだよ。


(……はい。でも……魔素に満ちた世界に戻したいと思う魔族は他にはいません。聖女様が命がけで祓った魔素をまた世界中にばらまくなんて絶対に赦せません! だからハデス様はあの魔族を最も苦しい方法で葬りました)


 ゴンザレス……

 

(ぺるみ様は優し過ぎます。甘過ぎます。でも……どこまでも真っ直ぐで温かい。オレは……世の中に一人くらいはぺるみ様みたいなお方がいても良いと思います)


 ……え?


(あまりに真っ直ぐ過ぎて見ている方が心配になって……でもクルクル変わる表情に目が離せなくて。オレは……ぺるみ様の苦しむ顔じゃなくて笑顔が見たくて……ずっと笑っていて欲しくて……でも、ぺるみ様の背負う物はあまりに重過ぎて……)


 ゴンザレス……


(これでやっと魔族の問題から解放されて……オレは嬉しいんです。これからは笑顔のぺるみ様を毎日見られるから)


 ありがとう。

 ゴンザレスが、わたしを笑顔にする為にからかうような事をしていたのは分かっていたの。


(ぺるみ様……)


 これからも仲良くしてね?


(はい! ……あ)


 ん?

 どうかした?


(ベリアルが『どうして朝からセキハンなんだ』と尋ねようとしていますよ?)


 ええ!?

 ダメダメ!

 絶対にベリアルだけには教えられないよ!


(……? どうしてですか? からかわれるからですか? それとも、大好きなぺるみ様がハデス様とそういう事になってショックを受けるかもと心配なんですか?)


 ん?

 ベリアルがわたしの事が大好き?

 無い無い!

 毎日変態をやめろって嫌がられているし。


 ベリアルは、ちょっぴりエッチなヒヨコちゃんなんだよ。

 興奮し過ぎて倒れちゃうかもしれないでしょう?

 ピヨピヨピヨたんのベリアルには刺激が強過ぎるんだよ。

 ベリアルはまだ赤ちゃんなんだから。


(え……? ベリアルはヒヨコの姿をしているだけで中身は大人……でも、ぺるみ様はオケアノス様だからベリアルの親みたいな存在で……うーん? それに、ベリアルはぺるみ様の事が大好きだし……)


 ゴンザレスが悩んでいるみたいだけど……

 とにかく、ベリアルにだけは秘密なの!

 なんとしてでも赤飯の理由だけは知られないようにしないと!

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