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かわいいモフたん(6)

(モフたんの身の安全が保証されたからなぁ。下半身だけだった魔族が種族王になってもいいかとも考えたみてぇだけど、ゲイザー族長がふさわしいんじゃねぇかって話になったらしくてなぁ)


 吉田のおじいちゃんが穏やかな笑顔で教えてくれたね。


 そっか……

『初めからいた者』の皆は知り合いなんだよね。

 ゲイザー族長なら絶対に素敵な種族王になれるよ。

 でも、モフたんはゲイザー族長の傘下に入ってくれるかな?


(大丈夫だろう。元々甘えん坊だからなぁ。ゲイザー族のゴンザレスとも仲良くなったみてぇだし。ほら、見てみろ。かわいい寝顔だなぁ)


 うん!

 ベリアルとゴンザレスとモフたんがぴったりくっついて気持ち良さそうに寝ているよ。

 ぐふふ。

 かわいいっ!


(今まで寂しく島にいたからなぁ。皆の優しさに触れたらもう今までの生活には戻れねぇさ。モフたん達が望むなら第三地区に一緒に住む事もできるし、島を第三地区の隣に持ってくる事もできるぞ?)


 そうだね。

 かわい過ぎて襲われるかもしれないからその方が安心だよね。

 モフたん達が望むならそうしてあげたいよ。


(今までも一年に一度は『どこの傘下にも入らない魔族』が集まって話し合いをしてたらしいけどなぁ……モフたんは強がって『弱い魔族を食え』とか『天族を滅ぼせ』とか言ってたらしくてなぁ)


 そうみたいだね。

 でも、それには理由があるんだよ。


(皆も分かってるさ。モフたんが優しい子だって事はなぁ。でも何も知らねぇ魔族達に『強い魔族』だと思わせる為にはその方が都合が良かったのかもしれねぇなぁ。魔族の中じゃ有名なんだぞ? 『小さいけどものすごく強い魔族』だってなぁ)


 だから、結界を破ろうとしていたモフたんを見て魚族長が慌てていたんだね。

 普通に考えたらこんなにかわいいモフたんにあそこまで警戒する必要はないからね。


(そうだなぁ。じゃあ、じいちゃんはハデスちゃん達をこっちに連れてくるからなぁ。ぺるぺるはベリアル達をベットまで運んでやってくれ)


 うん!

 ぐふふ。

 任せて!


(ははは! 嬉しそうだなぁ)


 吉田のおじいちゃんは、いつも通りだね。

 安心したよ。

 

 人間と関わるのもあと二日か。

 魔族の問題もだいたいは解決したし……

 あとは、うさちゃんの魔法石が砕けそうになっている件だね。


 うさちゃんは先に天界に行って寝ているはずだけど……

 うさちゃんにとって一番幸せになれる方法はなんだろう?

 

 ……?

 あれ?

 でも……

 おかしくないかな?

 魔素入りの小瓶をこのかわいいモフたん達が準備できるとは思えないんだけど。

 しかも、モフたん達には魔力が無さそうだよね。

 人化もできないだろうし。

 どうやって人間に魔素入りの小瓶を渡したの?

 ベリス王は魔族の仕業だって言っていたよね?

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