かわいいモフたん(2)
「モフたん!? どうして、さっきまで動かなかったの!? 心配したんだよ!?」
良かった。
生きていたんだね。
「このままぬいぐるみの振りをすれば従魔関係を解消しなくて済むかと思ってな」
……!?
モフたん……
かわい過ぎるよ!
「そうだったんだね。良かった……死んじゃったのかと思ったよ」
「……このままじゃダメか?」
「え? このまま動かないって事?」
「そうじゃない」
「えっと……じゃあ……?」
「従魔でいたいんだ」
「モフたん……わたしは従魔なんて嫌だよ」
「オレはお前と……ぺるみと繋がっていたい。従魔ならずっと繋がっていられる」
「でも……」
「オレは、傷つき苦しむ『あの子』の姿を見て……従魔になれていたらとずっと悔やんでいた。もし従魔だったら『あの子』を一番近くで守れていたはずだ」
「モフたん……」
「もう二度と喪いたくない。オレは強いぞ? 今度はオレが『弱いぺるみ』を守るんだ!」
……!
そんな風に言われたら……
でも、従魔なんて嫌だし……
「ぺるみが弱い? ぺるみは天界でも五本の指に入るくらい強いんだぞ?」
ベリアルがモフたんに話しかけたね。
でも、ちょっと怒っている?
ぐふふ。
わたしとモフたんが仲良くしているから嫉妬しているんだね。
超絶かわいいよっ!
「ふふふ。オレはさらに強いんだ! さっき戦ってオレが勝ったんだからな!」
得意気なモフたんもかわいいっ!
「え!? 戦った!? 何があったんだ!?」
「もちろん、ベリアルの事もバニラちゃん? の事も守ってやるからな!」
「モフたん……オレの事もか?」
ベリアルが尋ねているけど……
モフたんは『オケアノス』だったベリアルやバニラちゃんの事も守りたいんだよね。
「オレは今度こそ『あの子』を守るんだ! ベリアル……ずっとずっとオレが守るからな! オレは強いんだから!」
「うん! すごいなぁ。こんなにかわいいのにそんなに強いのか!」
ぐふふ。
かわいい。
ぐふふ。
かわいい。
もう仲良くなっているよ。
あれ?
向こうから誰か歩いてくるね。
吉田のおじいちゃんとおばあちゃんかな?
バスケットを持って歩いてきている。
「ははは! そうか、そうか。ベリアルとモフたんは仲良しになったか」
「ベリアル、ゴンザレス、モフたんも、敷物を持ってきたからクッキーを食べろ。ココアも作ってきたからなぁ」
吉田のおじいちゃんとおばあちゃんは今までの事を全部聞いていたんだね。
すごく嬉しそうに笑っているよ。
「うわあぁ! 夜なのにいいのか? えへへ。ゴンザレスもモフたんも一緒に食べよう!」
くうぅ!
ベリアルのつぶらな瞳がキラキラ輝いているよ。
「ココア……?」
モフたんはココアは初めてなのかな?
甘そうな匂いに瞳をキラキラ輝かせている。
くぅぅ!
かわいいよっ!
「すごく甘くておいしいんだよ?」
優しく教えてあげるゴンザレスも激かわだねっ!
ぐふふ。
ヒヨコちゃんとハリセンボンとモフたんが敷物に座って仲良くクッキーを食べている。
……超絶かわいいっ!
ずっと見ていられるよ。




