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かわいいモフたん(1)

 ん?

 ベリアルがさっきからプリプリ怒っている?

 お父さんに会う為に魔王城に向かっているんだけど……

 魚族長に抱っこされながら、ずっとわたしを睨んでいるよ。


(ははは! ベリアルは、モフたんがぺるみ様に抱っこされているのが気に入らないんですよ。そこはいつもベリアルの場所だから) 


 嫉妬!?

 くうぅ!

 堪らないよっ!

 ゴンザレス、他には?

 ベリアルはどう思っているの?


(かなり怒っていますよ? 『浮気者』とか『赦さないぞ』とか……)


 浮気者!?

 ぐふふ。

 ベリアルってば……

 口では嫌がっているくせに、本当はそんな事を……

 

「ぐふふ。ぐふふふ」


「……うわ。ぺるみがグフグフ言い始めたぞ。気持ち悪……やっぱり魚族長に抱っこされてる方がいいや」


 ……!?

 ベリアル!?

 なんて事を!

 さっきまでは、わたしに抱っこして欲しそうにしていたのに!

 ゴンザレス……今のはベリアルの本心じゃないよね?


(あ……本心ですよ。ぺるみ様が気持ち悪いからモフたんが来てくれて良かったと思っていますね)


 はぁ!?

 なんて失礼な!


(ぺるみ様、魔王城に着きましたよ?)


 え?

 あ、いつの間に……


「ぺるみ? 来たんだね」


 お父さんは砂浜でヴォジャノーイ族のおじちゃん達と話していたんだね。


「あ……うん。えっと……」


 なんて話したらいいのかな?


「うわぁ……かわいいぬいぐるみだね」


「え? あ、モフたんの事?」


「モフたんか。かわいい名前だね。ぺるみがつけたのかな?」


「あの……お父さん! 助けて欲しいの」


「……? うん? 何かな?」


「あのね? モフたんなんだけど……魔族なの」


「……? え? 魔族? このぬいぐるみが?」


「……え?」


 変だな。

 確かにモフたんはぬいぐるみみたいにかわいいけど、どう見ても生きているようにしか見えないよ?


 ……あれ?

 そういえばさっきからモフたんが動かないような……


「モフたん? え? 動かない……モフたん!? まさか……死……ええ!? どうしよう……」


 さっきまでは普通に動いていたのにどうして……


「ぺるみ……落ち着いて? モフたんはさっきまでは動いていたの?」


「うん! モフたんは『弱い魔族を食べるべきだ』って言った魔族なの。さっき知り合って……わたしが『モフモフ』って言ったら名を受け入れちゃって……それで……どうしよう……まさか本当に死……どうしよう。もしかして、わたしが天族だから従魔になったら死んじゃうの?」


 どうしよう……

 わたしのせいで……


「大丈夫だよ……うーん。ぺるみ、一度モフたんをくすぐってみて?」


「え? でも……うん……」


 これでいいかな?

 もし体調が悪いならかわいそうだけど……

 

 あれ?

 モフたんがピクッてした?


「あはは! くすぐったいぞ!」


 動き出した!?

 しかも笑った顔がかわい過ぎるよ!

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