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カブトガニを被ったヒヨコちゃんもかわいいよね

「ん? 何か動いてるぞ?」


「え? あ、本当だ。何だろうね?」


 ベリアルとゴンザレスが砂浜で何かを見つけたみたいだ。

 何だろう?


 ヘルメットみたいな物が動いている?

 足みたいなものがサカサカ動いているけど……

 これって……

 カブトガニ!?


 うわあぁ!

 実物を見たのは初めてだよ。

 こっちの世界にもいるんだね。

 それにしても想像よりかなり大きいね。

 わたしの頭くらいの大きさがあるんじゃないかな?


「かなり大きいぞ! ゴンザレス、気をつけろ」


「うん。すごく強そうだよ!」


 ぐふふ。

 カブトガニに怯えるヒヨコちゃんとハリセンボン……

 堪らないよ。

 クラスの皆のニヤニヤも止まらないね。


「えい! ダメだ! 虫取り網じゃ捕まえられないぞ!」


「あ……」


 ん?

 ゴンザレスが困っているみたいだね。

 どうかしたのかな?


(ぺるみ様……この生き物が捕まえられるのを嫌がっています。でも、ベリアルにはオレに心を聞ける力がある事は秘密にしているし)


 ゴンザレス……

 分かったよ。

 教えてくれてありがとう。


「ねえ、ヒヨコちゃん? そのカブトガニ……嫌がっていないかな?」


「ん? カブトガニ? そういう名前なのか?」


「うーん。群馬ではそう呼んでいたよ」


「カブトガニは嫌がってるのか?」


「ヒヨコちゃんだって虫取り網でいきなり捕まえられたら嫌でしょう?」


「それは……そうだけど……」


「あ……」


 カブトガニがベリアルの身体をよじ登っている……

 

「な……!? うわあぁ! なんか気持ち悪いよお! 足がいっぱいあって気持ち悪いよお!」


 ベリアルが泣き始めたね。

 くうぅ!

 カブトガニによじ登られて泣くヒヨコちゃんも超絶かわいいよ!


 こ……これは!


 カブトガニが、ベリアルが頭に被っていた麦わら帽子を脱がせた!?

 そのまま頭にとどまってヘルメットみたいになっている。


「……!? うわあぁぁん! 怖いよぉ! もしかして怒ったのか?」


 くうぅ!

 かわい過ぎるよ!


(あぁ……ちょうどいい岩場を見つけたと思ったようです。悪意はないようですね)


 ぐふふ。

 堪らないよ。

 ずっと見ていられるよ。


(あの……ぺるみ様? 聞いていますか?)


 え?

 あ、うん。

 聞いているよ。


「えっと……カブトガニは休憩中みたいだね。もう少し休ませてあげたら?」


 こんな感じの理由でいいかな?

 さすがに岩場みたいだから登ったなんて言えないよね。

 ん?

 カブトガニがわたしをじっと見つめている?


「休憩中? でも……足がワサワサして気持ち悪いんだよぉ。って、あれ? 海に戻っていく?」


「あ……うん。そうみたいだね。海の向こう側は干潟みたいになっていたからそこで暮らしているのかもね」


「ヒガタ? よく分からないけど……怖がったりしてかわいそうだったかな?」


「きっと大丈夫だよ。あ、よく見たらすごく小さい子もいるね」


「え? 本当だ! かわいいなぁ」


「親子かな?」


「うん! きっとそうだな! さっきは、ごめん。もう捕まえたりしないからな」


 くうぅ!

 カブトガニに謝るヒヨコちゃんも激かわだよ!


「連れて帰ろうとしないんだね」


 ゴンザレスの時は『絶対にお世話するから』って駄々をこねていたよね。


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