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普段は厳格な人にも、隠された変態的姿があったりするよね

「うぅ……やめろ……じいちゃん」


 え?

 ベリアルの声?

 うわぁ……

 公爵に頬擦りされているよ。

 神様のペットって言ったからかな?


「やめろ……そんなにお腹を押したら……出てきちゃうよ……」


 ベリアル……

 食べ過ぎたお菓子が、くちばしから出てきちゃいそうなの!?

 くぅぅ!

 かわいいっ!


「公爵! 落ち着いて!」


 ダメだ。

 興奮し過ぎて聞こえていないよ!

 そうだ!

 これならどうだろう?

 

「神様が怒っちゃうよ!」


 信仰心が厚いみたいだからね。

 少しは落ち着いて……ってあれ?


「あああ! 女神様の香りがするような気が……スーハースーハー」


 な……なんて事を!

 公爵が、ベリアルのかわいい頭部を深く吸っている!?

 わたしだってやりたいのに!

 

 信仰心っていうよりはお母様の事が好きなんだね。

 見ていて分かるよ。

 そのうち、見た目が似ているからって、わたしにまで吸いついてきそうで怖いよ。

 何が怖いって、ハデスが公爵を殺……

 いや……考えるのは、やめよう。


「はっ! わたしとした事が……取り乱してしまいました」


 おぉ……

 凛々しい公爵に戻ったね。

 もしかして変態の同志かも……


「ペリドット様は人間の貴族の爵位の序列をご存知ですか?」


 まともな事を言い出したね。

 さっきまでとは大違いだよ。


「うん、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵の順だよね?」


「はい。その通りです」


 ハデスが、ヴォジャノーイ族のじいじだった時に人間の事も勉強させられたからね。


「わたしはアルストロメリア王族でしたが今はこのリコリス王国で公爵となり暮らしています」


「爵位があるなら領地もあるんでしょ? アルストロメリアから来たのにその辺りはどうしたの?」


「それは……今の我らの領地の持ち主が問題を起こし没落しまして、その領地を授かりました」


「……そんな都合のいい事があるのかな?」


「……ははは。あるのでしょうな。あったのです。時には深く考えない事も必要ですよ?」


 うわぁ……

 裏で何かあった感じがするよ。


「公爵はわたしに協力してくれるっていう事でいいのかな?」


「例えばどのような協力をお望みですか? 情報は全て魔族が入手するでしょう。魔素に閉ざされていた小国の王女として、わたしの口添えをお望みでしょうか?」


「それは大丈夫。アカデミーに通いながら婚約者候補になれるようにしてみるから。それに、いずれ聖女のルゥだった事は話すつもりだからね。魔族と関わりのあるわたしの後見人になると公爵に迷惑がかかっちゃうでしょう?」


「なるほど。では、何をお望みですか?」


「うん。今日はアンジェリカちゃんとココちゃんに会いに来たの。人化した信頼できる魔族を一人ずつ、いざという時の護衛としてつけたいの。もちろん離れた所から見守ってもらうんだけど」

 

「え? それは……」


「ダメかな? 魔族だけどアンジェリカちゃんとココちゃんを食べたりしないから安心して?」


「それでは、ペリドット様に何の得も無いのでは?」


「……? 得? 友達を守りたいのに損得勘定なんていらないでしょ?」


「見返りを……求めないと?」


「うーん。欲しい物も無いし、地位とかそういうのも興味無いし」

 

「ただ、友としてアンジェリカとココ様を助けたい……と?」


「もちろん、お兄様の為でもあるよ?」


 大切な皆を守りたいんだ。


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