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この島はどうなっているの?

 ゴンザレスの様子が明らかにおかしい。

 皆の心が聞こえてこなくて慌てているみたいだ。

 じゃあ、やっぱりこの島にいる魔族の力が使えなくなっているのかな?


「えっと……ゴンザレス? 大丈夫?」


「ぺるみ様ぁ……」


 ゴンザレスが泣きながらわたしに飛びついてきたね。


「とりあえず皆、一旦落ち着こう。(人間に聞かれると困る事もあるからわたし達だけで食材を探しに行く事にして、ここから少し離れよう?)」


 

 こうして誰もいない木陰に来たけど……

 クラスの皆は波打ち際で楽しそうに遊んでいるね。

 悪い誰かがいるかもしれないから何かあったら守れる距離にはいないとね。


「王子達……大丈夫? ゴンザレスも魔力が使えないんだね」


「これは一体……こんな事は初めてです」


 ベリス王子は冷静さを取り戻したみたいだね。

 イフリート王子は真っ青な顔をして茫然としている。


「わたしは普通に神力を使えたけど……ベリアルは火の神力を使えそう?」


「ああ。オレは使えるぞ。変だな。ばあちゃん達がこんな島を用意するはずがないし」


 ベリアルは神力を使えるんだね。

 でも……


「こんな島って……?」


「そうか。ぺるみは知らないよな。オレは天界で戦に参加してたから知ってるんだ。この空間は特殊な結界……魔族が張ったなら防御膜か? それが張ってあるみたいなんだ。神の娘のぺるみを閉じ込める天族なんていないから……魔族がやったんだよな?」


「防御膜? でも特殊な防御膜って?」


「分かりやすく言えば魔族にだけ効く力……か? 天族の神力には効かないけど、魔族の力は使えなくできる膜だな」


「それって……この島から出れば王子達とゴンザレスの魔力は元に戻るっていう事?」


「そうだろうな。空とか向こうの海をよく見てみろ。薄い膜みたいなのが見えるだろ。あれが防御膜だ。でも、こんな事ができるのはハデスだけだと思ってた……」


 ハデスだけ……?

 でも、ハデスがそんな事をするはずがないし……


「じゃあ防御膜から出れば皆の魔力は戻るんだね」


「オレがあの膜の所まで飛んで見てきます」


 抱っこしているゴンザレスが飛ぼうとしているけど……


「あ、待って? 魔力が無くても飛べるの?」


「え? あ、そうみたいですね。普通に飛べるみたいです」


 確かに、いつも通りフヨフヨ飛んでいる。

 魔力で飛んでいるんじゃなかったんだね。

 でも、防御膜まで辿り着いたゴンザレスの動きが止まった?


「ん? ゴンザレス? どうかしたの?」


「膜の外に出られません。すごく硬い何かがあります」


「え? 硬い何か?」


 防弾ガラスみたいな感じかな?


「はい。これって……閉じ込められたんじゃ……」


「閉じ込められた? そんな。どうして……?」


 まさか……

 どこの傘下にも入っていない魔族が!?

 でも、そうだとしたらおばあちゃん達が黙って見ているはずがないよね?

 

「空間移動してこの島から出るよ!」


 これ以上この島にいるのは危険だよ!

 クラスの人間達を巻き込んじゃうかもしれないし。


「待て! ダメだ。空間移動できない! ぺるみは絶対に、やっちゃダメだ!」


 ベリアルが叫んだ?


「ベリアル!? どういう事!?」


「分からない。でも、最近空間移動できるようになったばかりのぺるみはしない方がいい。下手すれば身体が裂けるぞ」


「そんな……」


 どうしてこんな事に?

 さっきまでは普通に神力を使えていたのに。


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