わたしは永遠にベリアルだけを推し続けるからね
さあ、今日はテストのクラス順位発表の日だ。
先生達は答え合わせが大変だっただろうけど……
わたしのクラスは最下位から抜け出せたかな?
それと、ベリス王子に勝てたかな?
勝てばベリアルのガラス細工をもらえるんだよ。
新たなコレクションは部屋のどこに置こうかな?
ぐふふ。
ぐふふふ。
「うわ……こいつ……何をグフグフ言ってるんだ?」
今は第三地区で朝ごはんを食べているんだけど……
しまった。
声に出して笑っていたかな?
ベリアルが怯えているよ。
「ふふふ。実はね……今回のテストでベリス王子に勝つか、満点を取ればベリアルのガラス細工をもらえるんだよ」
「は!? オレのガラス細工!? そんなの知らないぞ!」
「え? だって、ベリアルが言ったんだよ? ベリス王子とベリス王の店舗でベリアルグッズを売ってもいいって」
「それはそうだけど……新しいグッズが出るのが早過ぎないか?」
「わたし達がアカデミーに通っている間にいっぱい売りたいんだろうね。このベリアルブームがいつまで続くか分からないし」
「オレの人気がなくなるって事か!? このかわいいオレの!?」
「ぐふふ。自分をかわいいって言うヒヨコちゃんも激かわだね」
「だって事実だろ!」
「ぐふふ。堪らないね。でも、時代は進むからね。昨日まで流行っていても今日は違うキャラクターが流行る事は珍しくないんだよ」
「キャラク……? じゃあ、そのうち皆オレの事を忘れちゃうのか? オレのぬいぐるみは捨てられちゃうのか?」
「そうならないようにベリス王子達が色々考えているみたいだよ。それにもしベリアルのぬいぐるみが捨てられたとしてもわたしが拾ってコレクションに入れるから安心して!」
「うぅ……ぺるみぃ……捨てられたくないよぉ」
くうぅ!
ベリアルのつぶらな瞳がウルウルになっている。
堪らないね。
優しい振りをして吸いついてみようかな。
「ベリアル……抱っこしてあげるから、おいで」
手を伸ばしてベリアルを抱っこしようとすると、パンみたいな翼で叩かれる。
「百年早い! 優しい振りをしてオレに吸いつく気だろ!」
叩かれた……
ベリアルに叩かれたよ……
全てお見通しだったんだね。
「痛っ! ……くはない。むしろ快感だよ。ぐふふ。もっとやって」
もっともっとこのパンみたいな翼で叩かれたいよ。
ニヤニヤが止まらない……
「……!? うわあぁぁぁん! ばあちゃん! ぺるみが変態だよぉ!」
「ああ! また、おばあちゃんに助けを求めているね!? 今回は誰が見てもベリアルが悪いんだから!」
「はあ!? そんな事は……うぅ……言われてみれば確かに……叩いちゃったし……」
「ぐふふ。おばあちゃんに叱られるのはベリアルだよ? さあ、どうする? このままおとなしく抱っこされれば黙っていてあげるよ?」
「……ふっ。かかったな」
「……え? 何が?」
ベリアルが悪そうに笑っている?
くうぅ!
激かわだよ。
「うわあぁぁぁん! ばあちゃん! ぺるみが脅迫してくるよぉ!」
「ああ! ベリアルってば、いつからそんな悪い子になったの!?」
「ふんっ! ぺるみの相手をしてたからだ! 全部ぺるみのせいだからな!」
そんな……
わたしのせいでベリアルが悪い子に?
でも……
「ぐふふ。腹黒ヒヨコちゃんもいいね。堪らないよ。オプションは多い方がいいからね」
「なに!? ぺるみが興奮してハアハアしている!? オレが悪い子になったのに?」
「ぐふふ。もっともっとオプションを増やせないかな? ちょっとエッチで腹黒で生意気で超絶かわいいヒヨコちゃん……さらに増やせるオプションは何かな?」
「うわあぁぁん! オレはちょっとエッチなんかじゃなぁあい!」
「え? じゃあ、ものすごくエッチなヒヨコちゃん?」
「そうじゃなぁぁあい!」
「んもう。わがままなんだから」
「それも違ぁぁう! ……でも」
「ん? なに? どうかした?」
「ぺるみはオレに飽きないか? ずっとずっとオレを好きでいてくれるか?」
ベリアルがつぶらな瞳をウルウル潤ませながら尋ねてきたね。
くうぅ!
かわい過ぎて堪らないよ。
「もちろん! わたしは永遠にベリアル推しだからね!」
「ぺるみぃ。約束だからな? オレのぬいぐるみが捨てられたら拾ってかわいがってくれよ?」
「もちろんだよ。ぐふふ。かわいがってあげるから安心して! 吸って撫でて添い寝までしてあげるからねっ!」
「……いや、そこまではしなくていいんだけど」
「ぐふふ。遠慮なんていらないから……」
想像したらニヤニヤが止まらないよ。
「……怖っ」
なぜかベリアルが怯えているけど気にしないよ。
あぁ……
今日もベリアルは超絶かわいいね。




