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思っている事を伝え合うって大切だよね~後編~

「……比べられないよ。大切過ぎて比べる事なんてできないよ」


 ハデスとうさちゃんのどっちが一番かなんて、そんなの比べられないよ。


「ペルセポネ……」 


 辛そうに呟いたうさちゃんの声が悲しそうで、胸が痛くなる。


「うさちゃんは天界でずっとずっと一緒にいてくれた大切な家族なんだよ。他の誰かじゃなくて……側にいてくれたのがうさちゃんで本当に幸せだったよ? もちろん今だってうさちゃんの事が大好きなの」


「ワカッテイル。ペルセポネガ、オレヲ、タイセツニ、オモッテ、クレテ、イルコトハ……ダガ」


「うさちゃん……?」


「モウ……ペルセポネノ、トナリニハ、ハデスガ、イル。オレノ、ヤクメハ……オワッタンダ」


「うさちゃん……! 絶対そんな事はないよ!」


「……スマナイ。イマノ、ハナシハ、ワスレテ、クレ」


「うさちゃん……うさちゃんは何も分かっていないよ!」


「……? ペルセポネ?」


 いきなり大声を出したから、うさちゃんが驚いている。

 でも、このままこの話を終わりにはできないよ。


「役目が終わるって何? 役目って何!? 大切な家族の役目が終わるって何なの!?」


「ペルセポネ……」


「生きていて欲しいって願ったらダメなの? 用が済んだからもういらないなんて……わたしがそんな風にうさちゃんを思っているはずがないでしょう?」


「……ソレハ……ソウダガ……」


「わたしはこれからも、ずっとずっとうさちゃんと一緒にいたいよ。だって……大好きだから。うさちゃんがいなくなるなんて絶対に嫌だよ」


「ペルセポネ……ソウカ。オレハ、ペルセポネノ、ソバニ、イテ、イイノカ……」


「『いていい』じゃなくて『いて欲しい』の! ずっとずっと一緒にいたいの!」


「……ダレカニ、ヒツヨウト、サレルノハ……ウレシイナ。ソレガ、ペルセポネナラ、ナオサラダ」


「うさちゃん……お願いだから『自分は誰からも必要とされていない』なんて思わないで」


「……ペルセポネ」


「わたしはうさちゃんがいないなんて嫌だから……」


「ソウダナ。ペルセポネニハ、オレガ、イナイト。ハデス、ダケデハ、シンパイダ」


「もう悲しい事を考えたりしない?」


「アア。コレカラモ、ズット、ペルセポネノ、ソバニ、イルカラナ……ダカラ、ナクナ」


 え?

 あ、いつの間にか泣いていたんだ。

 興奮していて気づかなかったよ。


 うさちゃんが、かわいい『あんよ』で涙を拭ってくれている。

 懐かしいな。

 まだ幼かった頃もこうやって涙を拭ってくれたよね。


「うさちゃん……手がかかるから呆れちゃった?」


「ソンナ、コトハナイ。ペルセポネハ、オレノ、タイセツナ、ムスメノヨウナ、ソンザイダ。テノ、カカルコホド、カワイイト、イウダロウ?」


「うさちゃん……えへへ。……これからもいっぱい手がかかるだろうけど……よろしくお願いします」


「ペルセポネニハ、オレガ、ツイテ、イナイトナ。マダマダ、ハデスニハ、クレテ、ヤランゾ!」


 うさちゃんがやる気になっているみたいだね。

 安心したよ。

 でも……

 今まで、わたしとハデスが仲良くしている姿を見ていて辛かったのかな?

 だとしたら、これからどうしたらいいんだろう?

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