かわいいと本当に背後にお花を背負うんだね
広場に戻ると、皆でおはぎを食べている。
うぅ……
いつも通りの吉田のおじいちゃんだね。
おばあちゃんとすごく仲良しだ。
「ペルセポネ? 食べないのか?」
ハデスはおはぎが好きなんだよね。
おいしそうに食べているよ。
「食べたい! おはぎ大好き!」
考えても仕方ないよね?
吉田のおじいちゃんが悪い人じゃないのは皆が知っている事だし。
本当にわたしの為に……?
その辺りは訊いてもはぐらかされそうだよ。
今も心の声を全部聞かれているんだろうし。
「うまああぁぁい! ウマウマだああ!」
……!?
ベリアル!?
かわいいヒヨコちゃんが、おはぎのおいしさに瞳を輝かせている!?
これは吸わずにはいられないね。
とりあえず、さっきベリアルに創ってもらった人形はテーブルに置いて……
ばれないように背後に立てたね。
ふふふ。
じゃあ吸わせていただきますよ?
「ウマウマー!」
はっ!
いきなり大声を出されて驚いちゃった。
じゃあ、今度こそ!
「ぺるみ? べりある、たべる?」
え?
このかわいい声は……
世界一かわいい弟のハーピーちゃん!?
ぐはっ!
ハーピーちゃんのかわいさも増量されている!?
何なの?
パラダイスだね!
「お前……今、後ろから吸い付こうとしたのか?」
ばれたか……
ベリアルが軽蔑のつぶらな瞳でわたしを見つめているよ。
「ちょっとだけ吸わせてよ! 一秒でいいから!」
ダメだ。
鼻息が荒くなっちゃうよ。
「お前……本当にペルセポネ様なのか?」
「え? ベリアル? そうだよ? 身体も心もペルセポネだよ? なんで?」
そっと手を伸ばしてベリアルを抱っこしようとすると、翼で叩かれる。
「まさか、こんな変態だったとはな!」
なに?
すごい軽蔑の眼差し!?
あれ?
天界にいた時に関わりは無かったはずだけど?
「……? ベリアル? 怒っているの?」
「はぁ!? 知るか!」
「ええ? なんで怒っているの? ねぇねぇ?」
「ふんっ! 絶対教えないっ!」
うぅ……
でも、怒っているヒヨコちゃんもかわいいね。
ダメだ。
まだ一時間経っていないのに身体がモフモフを欲している。
手の震えが止まらないよ!
「おい? どうした? 震えてるぞ?」
あぁ……
心配するヒヨコちゃんもかわいい……
モフモフに触れていないから身体が震えて立っていられないよ。
膝から崩れ落ちると、ベリアルとハーピーちゃんが心配して近寄ってくる。
「ぺるみ? だいじょうぶ?」
あぁ……
ハーピーちゃんがかわい過ぎる。
漫画みたいに背後にお花を背負っているよ……
「お前……病で苦しいのか?」
ベリアル……
なんてかわいいの?
後光が差しているよ?
ふふふ。
さぁ、もっと近くにおいで……
確実に逃げられない距離までね!
「はっ! 待て! これは罠だ!」
不穏な空気を感じたベリアルが飛んで逃げていく。
ばれたか……
もう少しだったのに。
「ぺるみぃ。だっこぉ」
あぁ……
やっぱりハーピーちゃんは世界一かわいい弟だよ!
抱っこすると温かくて柔らかくて気持ちいい。
幸せだよ!
スーハーが止まらないね!
でも、ベリアルはなんで怒っているのかな?
うーん。
天界で何かあったかな?
思い出せない……
スーハー……