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誕生日の宴は最高だ! (6)

今回はベリアルが主役です。

「ヒルというのは血を吸う虫だな。その長さのやつを見つけるのに時間がかかってな」


 人魚が得意気に話しているけど……


「虫? 虫……虫!? うわあぁ! 取ってくれ! 血を吸う虫!? 絶対無理っ!」


「よく似合っているのに……ビキニを取るのか?」


「血を吸う虫なんて怖いよっ!」


「はぁ……仕方ないな。ほら、取ったぞ。ベリアルは怖がりだな」


「誰だって身体に虫が巻きついたら気持ち悪いだろ!?」


「そうか? じゃあ、後で誰かに紐をつけ直してもらえ。似合っていたからな」


 悪気は無いんだろうけど、さすがに虫は……

 でもお礼は言わないとな。


「うん。ありがとう……」


「ははは! かわいいベリアルの為だからな。礼なんていいさ! よし! 酒だ酒だ!」


 人魚達がすごい勢いで酒を飲み始めたな。

 って言うよりまだ無人島で酒を飲んでいないのに酒臭かったぞ? 

 うわあ……

 ホワイトドラゴンとどっちが多く飲めるかの勝負を始めたな。

 勝つのはどっちだ?

 酒を飲んでご機嫌になったホワイトドラゴンが暴れださないといいけど。


「ベリアル。遅れてごめんなさい」


 ん?

 デメテル達が来たんだな。

 ゼウスもいるけど顔が疲れきっているぞ?

 ヘスティアはいつも通り優しく微笑んでいるな。

 ヘラは手に大きい箱を持っている。


「デメテル達も来てくれたんだな」


「ふふ。かわいいベリアルの誕生日なのにゼウスがなかなか仕事を終わらせられなくてすっかり遅くなってしまって……」 

 

「忙しいのにありがとう」


「ふふ。わたし達からの贈り物よ。ベリアルの為にドワーフにお願いしていたの」


「え? じゃあ、その大きい箱ってオレへの贈り物なのか? うわあぁ! 何かな? 何かなっ?」


「ふふ。喜んでもらえるといいけど」


 すごく大きい箱だな。

 身体の大きいオークでも入れそうなくらい大きいぞ?

 ……?

 なんだろう。

 うわあぁ!

 黒曜石でできた馬だ!

 オレがちょうど乗れるくらいの大きさで、すごくかっこいいよ。


「デメテル……ヘラもヘスティアもゼウスもありがとう。すごくすごく嬉しいよ!」


「喜んでもらえて良かったわ。ハデスに黒曜石を用意してもらったの。魔法石をはめれば動くわ。ゴンザレス達と一緒に遊べば楽しいはずよ。ふふ。ベリス王子からは剣と盾を贈られたんでしょう? それを持ってこの馬に乗ればとても凛々しいでしょうね」


「うわあぁ! うん! えへへ。これでぺるみの騎士に見えるかな?」


「まあ。ふふ。素敵な騎士様に見えるわよ。これからもペルセポネをよろしくね」


「うんっ! ゴンザレス、ヨータ。一緒に乗ろうっ!」


 うわあぁ!

 かっこいい馬だなぁ。

 まだ天界にいた頃は、馬のおもちゃに乗って遊んでいた奴が羨ましかったんだよな。 

 オレは小さい頃からずっとひとりぼっちだったから、おもちゃなんて持ってなくて……

 でも、この馬はそいつが持ってた馬よりずっとかっこいいよ。

 しかも動くし!

 こんな立派な物は天界にも無いよ!

 そういえばオレが小さい頃すごく優しくしてくれた女の子がいたような……?

 うーん?

 よく思い出せないな。

 天界ではずっと苦しめられながら暮らしてきたから思い出すのは辛い事ばかりだ……

 ヒヨコになってから、オレは毎日幸せに暮らせるようになったんだな。

 誰もオレを虐げないし、嫌な事もさせられない。

 天界とは大違いだ。

 オケアノスの中にいた頃の事は全然思い出せないけど、今が一番穏やかに暮らせているんじゃないかな。

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