誕生日の宴は最高だ! (1)
今回はベリアルが主役です。
「ベリアル。オクレテ、ゴメン」
この声は……
「ヨータ! 来てくれたのか?」
「ウン。ヨシダノジイチャンガ、ムカエニ、キテクレタンダ」
「じいちゃんが?」
「キョウガ、タンジョウビ、ナンダネ」
「うん! 初めて誕生日を祝ってもらってるんだ」
「ソッカ。スゴク、タノシソウダネ。ハイ。プレゼントダヨ」
かわいい紙で包まれている箱がテーブルに置いてあるけど、あんなに酷い事をしたオレにこんなに優しくしてくれるなんて……
しかも、ズッシリ重くて持ち上がらない。
「ヨータがオレに? うわあぁ! 嬉しいよ!」
「エヘヘ。チャント、ヨシダノジイチャンニ、モチコンデモ、イイモノカ、キイタカラネ」
グンマのある世界から何かを持ち込む時は偉い天族の許可が必要なんだっけ。
確かに危ない物を持ち込まれたら困るからな。
向こうの世界はこっちよりかなり発展してるみたいだし、ぺるみの話によるとかなり危ない物もあるらしいからな。
「何だろう? 開けてもいいか?」
「ウン! ヨロコンデ、モラエタラ、ウレシイナ」
「うわあぁ! 大きい箱だなぁ……」
「エヘヘ。ハコノナカハ、ベリアルノ、ダイコウブツ、ダヨ」
「大好物!? 何かな? 何かなっ?」
……!
これって……
「ヨシダノジイチャンニ、ベリアルノ、タンジョウビ、ダッテ、キイテ。ユウメイナ、プリンヤサンニ、ツレテイッテ、モラッタンダ。ボクハ、トリダカラ、グンマジャ、カイモノ、デキナイカラネ」
「オレの為に……プリンを買いに行ってくれたのか?」
「ベリアルハ、プリンガ、ダイスキダカラネ。イロンナ、アジガ、アルンダヨ。イッパイ、タベテ」
「うん! ありがとう! ヨータも一緒に食べよう」
「ミンナノ、ブンモ、ヨシダノジイチャンガ、カッテクレタンダ。プリンヤサンニ、アルダケジャ、タリナソウダカラ、オンセンマンジュウモ、イッパイ、カッテキタヨ」
「温泉まんじゅうも!? うわあぁ! 毎日が誕生日ならいいのになぁ」
「アハハ。ソウダネ」
「あれ? ホワイトドラゴンとブラックドラゴンも来てたのか?」
人化して箱を持ってるぞ?
「ふふ。ベリアル、お誕生日おめでとう。わたしとブラックドラゴンからも贈り物があるのよ」
ホワイトドラゴンが箱を手渡してくれたけど……
「え? いいのか?」
「もちろんよ。ベリアルは食べ物の方が良いかと思ってね」
「うわあぁ! 何かな? 何かなっ?」
「ふふ。この世界には無い物だと思うわ」
ん?
ベリス王子ががっつり見てくるぞ。
新しい商売にしようとしてるんだな。
「何かな? うーん?」
箱を開けたけど見てもなんだか分からないぞ?
甘い匂いはするけど……?
クッキーにしては丸いし、粉がかかっている?
「ふふ。一口食べてみて?」
「うん!」
……!
甘い……
柔らかくて口の中でフワッて溶けた……
「うまぁぁぁぁぁあい!」
「ふふ。喜んでもらえて良かったわ」
「これ、なんだ?」
「ふふ。スノーボールクッキーよ?」
「クッキーなのか? 今まで食べてきたクッキーとは全然違うぞ!?」
「ふふ。ベリアルはかわいいわね。気に入ったのならまた買ってくるわ。コンビニで簡単に買えるし」
「コンビニ? こんなすごいのに簡単に買えるのか? グンマはすごいんだな」
「ふふ。ビニールはこっちの世界に持ち込みたくないから袋から箱に移してきたの。今までは包装のビニールとかはグンマに持ち帰っていたのよ」
ビニール?
なんだろう?
危ない物なのかな?




